中小企業向け会計ソフト10選を比較!選ぶポイントから自社に合うシステムがわかる
会計ソフトが登場するまでは、手書きやExcelで会計業務をおこなうことが一般的でした。企業の規模が小さいうちは業務をこなすことができますが、会社が成長するにつれ会計業務は増え、複雑化していきます。
そんなときに、会計ソフトが役立ちます。会計ソフトを利用することで会計業務を効率化し時間的コストや人的コストの削減することができます。今回は、中小企業向けの会計ソフトを紹介しますので参考にしてみてください。
まずは確認!会計ソフトのメリットとは

会計ソフトは、企業の収支に関するデータを管理し、さまざまな会計書類を作成することができるシステムです。ここでは、会計ソフトのメリットを3点紹介します。
会計業務を効率化させることができる
従来の会計業務では、毎日の取引を伝票や仕訳帳に記帳し、それを総勘定元帳へ転記したり、適切な勘定項目に分けたりするといったいくつかの工程が生じていました。
会計ソフトを利用すると、取引内容は1回入力すればほかの帳簿へ自動的に転記されるため、記帳にかかる時間を大幅に短縮できます。また、自動仕訳機能がついている会計ソフトであれば、口座やクレジットカードなどのデータを同期して自動で勘定項目の仕訳をおこなってくれるため、会計業務を効率化させることができます。
ミスが減る
手作業で記帳や転記をしていると、金額や勘定項目、日付などの記入ミスが生じがちです。また、決算日や月初などに作成した試算表の金額が一致しないなど集計ミスが起こる可能性もあります。
会計ソフトでは、一度登録した取引が自動で転記され、計算も自動でおこなってくれるため、このようなヒューマンエラーを削減することができます。
自社の会計状況をリアルタイムで把握できる
適切な経営判断をするためには現在の状況をできるだけ早く把握することが大切です。会計ソフトでは、登録された取引内容を自動で集計し、リアルタイムで収支状況を確認することができます。また、サービスによってはマルチデバイスに対応しているため、外出先からでも会計状況を確認することができるようになります。
会計ソフトを選ぶ際に確認すべきポイント

会計ソフトは多数の企業からさまざまなサービスが提供されており、それぞれ機能や費用などが異なります。そのため、どのシステムを選択したら良いか悩む人も多いのではないでしょうか。
ここでは、自社に最適な会計ソフトを選ぶ際に確認すべき5つのポイント紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
費用
会計ソフトを導入することで会計業務を効率化し、人件費を削減したいと考えている企業は少なくないでしょう。
しかし、会計ソフトを導入し運用していく際には費用が発生します。現在の人件費よりも導入・運営費用のほうが高額になってしまうのであれば、費用対効果は低くなってしまいます。
また、会計ソフトにはさまざまなシステムやプランがあります。高機能のものや手厚いサポートがついているサービスは安心感はありますが、使いこなすことができなければかえって業務が複雑化したり、無駄な費用を払ったりすることになります。予算と照らし合わせたうえで費用対効果の高いものを選ぶようにしましょう。
導入形態
会計ソフトは大きくクラウド型とインストール型とに分けられます。それぞれ特徴があり、導入にかかる手間や運用方法も異なります。
どちらが適しているのかは、会計担当者の人数、外部連携の必要性など自社が会計業務をどのように運用していきたいかによって異なってきます。
それぞれの形態の特徴を把握し、自社にあった形態を選びましょう。
クラウド型
クラウド型とは、インターネット上でサービスサイトに設定したアカウントにログインすることで利用できる形態です。
特定の端末に限らず、インターネットにアクセスが可能なものであればデバイスやOSに関係なく使用できます。そのため、他拠点の従業員や顧問税理士ともデータを共有しやすいといったメリットがあります。また、閲覧だけでなく、複数人で同時にデータを編集することも可能です。
さらに、バージョンアップや障害発生時の修正を自動でおこなってくれます。会計担当者がメンテナンスに対応する必要がないため、本来の会計業務に集中できます。
インストール型
インストール型とは、パッケージソフトのダウンロードやインターネット上で提供されている会計ソフトをダウンロードして利用する形態です。
運用方法によっては、インターネットを経由せずに利用できるため、ネットワーク環境が不安定な場所でも安定して利用できると同時に、ウイルスに感染したりハッキングにあったりするリスクが低いため、高いセキュリティのもとで利用できます。
さらに、インストール型はカスタマイズがしやすいため、自社の会計業務に合わせた運用をおこなうことができます。
備わっている機能
サービスにより備わっている機能は異なり、それに伴いできることも変わってきます。したがって、自社の現状の課題や会計ソフト導入によって効率化したい業務を明らかにし、必要な業務を精査することが重要です。自社に適した機能を見極め、最適なサービスを選択できるようにしましょう。
対応するOS
日本ではWindowsを利用している企業が多く、会計ソフトもWindowsに対応しているものが多く存在します。
そのため、会計ソフトをMacで利用したいといった企業は特に、対応するOSについて確認をおくことが重要です。
サポート体制
新しい会計ソフトに慣れるまでには、それなりの時間を要します。最初は、操作方法がわからず戸惑うこともあるでしょう。また、システムに不具合が発生することもあります。
操作方法がわからなくなったりトラブルが起きたりした場合に、スムーズにサポートを依頼できるよう、あらかじめサポート体制を確認しておくことが大切です。
また、具体的なサポート体制にはFAQやマニュアルなど自分で調べて解決する方法や電話やチャット、メール、リモートサポートなどスタッフに直接問い合わせをする方法があり、プランによって対応しているサポート体制も異なります。
システム担当者が活用しやすいサポート体制がプランに含まれているか確認しておくと良いでしょう。
中小企業向け会計ソフト10選
ここからは、中小企業が利用するのに適した会計ソフトを10個紹介していきます。
上述した会計ソフトを選ぶ際のポイントを踏まえた比較表も載せているので、ぜひ参考にしてみてください。
フリーウェイ経理

- 入力方法を仕分け形式と出納帳形式の2種類から選ぶことができる
- エラーチェック機能で間違った入力を見つけることができ、データの正確性を保てる
- 基本的な科目名に加え、自社の状況に応じた科目名を設定することができる
プラン | 導入費用 | 運用費用 | 形態 | 対応OS | サポート体制 |
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無料版 | 0円 | 0円 | インストール型 | Windows | FAQ、マニュアル |
有料版(企業版) | 0円 | 月額3,000円 | インストール型 | Windows | FAQ、マニュアル、画面共有、電話、メール |
有料版(顧問先版) | 0円 | お問い合わせ | インストール型 | Windows | FAQ、マニュアル、画面共有、電話、メール |
GLOVIA きらら 会計

- 入力画面が紙伝票のスタイルで設計されており、これまで使用してきた伝票と同じ感覚で使用することができる
- 伝票辞書や摘要辞書など入力を効率化してくれる機能が搭載されている
- 伝票に付箋機能でメモを残すことができ、後々のチェックを簡単におこなうことができる
プラン | 導入費用 | 運用費用 | 形態 | 対応OS | サポート体制 |
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クラウド版 | - | 月額15,000円 | クラウド型 | Windows | 電話 |
パッケージ版 | 580,000円~ | - | インストール型 | Windows | - |
減価償却応援(スタンドアロン版) | 150,000円 | 年額30,000円 | インストール型 | Windows | FAQ |
かんたんクラウド会計

- 初期費用無料で容易に導入することができる
- レシートを自動で解析し自動仕訳してくれる機能が搭載されているため、入力の手間が大幅に削減される
- 3アカウントまで追加料金がかからずに利用することができるため、会計事務所などと複数人で簡単に情報共有することができる
プラン | 導入費用 | 運用費用 | 形態 | 対応OS | サポート体制 |
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3カ月無料プラン | 0円 | 0円 | クラウド型 | - | チャット、メール |
Basic | 0円 | 月額1,800円 | クラウド型 | - | チャット、メール |
Plus | 0円 | 月額2,500円 | クラウド型 | - | チャット、メール |
会計王

- プラグ社が2019年5月におこなった業務ソフトに関する調査で、お客様満足度No.1を獲得した会計ソフト
- 金融機関から発行された利用明細を自動で取り込む機能やAIによる自動仕訳機能によって記帳作業を効率化することができる
- 有償のバリューサポートプランに加入することで、2カ月間無料で会計王に詳しい税理士から指導を受けることができる
プラン | 導入費用 | 運用費用 | 形態 | 対応OS | サポート体制 |
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- | 40,000円 | - | - | Windows | 電話、FAQ |
HANJO 法人会計

- カシオ計算機社の100%出資によって提供されている飲食店向け会計ソフト
- スマートフォンでレシートを撮影するだけで、自動取込や自動仕訳をしてくれる
- スマートフォン上で案内に従って操作をするだけで簡単に確定申告書を作成することができる
プラン | 導入費用 | 運用費用 | 形態 | 対応OS | サポート体制 |
---|---|---|---|---|---|
- | - | 月額980円 | クラウド型 | Windows、Mac | FAQ、マニュアル、電話 |
会計らくだ

- 出納表や売掛帳、買掛帳、経費帳の帳簿形式のほかに、総勘定元帳、仕訳帳、振替伝票、入金伝票、出金伝票といったようなさまざまな入力形式に対応している
- 初年度0円で利用できる年間保守サービスへの加入で、メールや電話、FAXによるサポートを受けることができる
- クラウドストレージとの連携によって、万が一に備えてデータをクラウド上に保存することができる
プラン | 導入費用 | 運用費用 | 形態 | 対応OS | サポート体制 |
---|---|---|---|---|---|
- | 12,000円 | - | インストール型 | Windows | FAQ |
PCA会計hyper

- 現金出納帳入力、預金通帳入力、売掛帳入力、買掛帳入力、売上帳入力、仕入帳入力、経費帳入力、手形入力などさまざまな入力方法に対応
- 2カ月間の無料トライアルあり
- 定期的に発生する伝票や事前に発生が予測できる伝票を予約登録することができ、入力漏れが防止できる
プラン | 導入費用 | 運用費用 | 形態 | 対応OS | サポート体制 |
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PCA会計hyper クラウド版(イニシャル“0”プラン) | 0円 | お問い合わせ | クラウド型 | Windows | FAQ、マニュアル、メール、電話、リモートサポート |
PCA会計hyper クラウド版(プリペイドプラン) | 0円 | お問い合わせ | クラウド型 | Windows | FAQ、マニュアル、メール、電話、リモートサポート |
PCA会計hyper パッケージ版 | 410,000円~ | - | インストール型 | Windows | FAQ、マニュアル、メール、電話、リモートサポート |
わくわく財務会計

- 製造業、卸売業、小売業、サポート業、飲食業などさまざまな業種に対応した会計ソフト
- プログラムの改善や機能追加などのアップデートを無料でおこなうことできる
- 定番伝票辞書や仕訳ヘルパー、仕訳辞書、入力アシスタントと操作ガイドなどの機能がついており、経理やパソコンの経験が浅い人でもシステムを運用することができる仕組みが整っている
プラン | 導入費用 | 運用費用 | 形態 | 対応OS | サポート体制 |
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ダウンロード販売 | 12,100円 | - | インストール型 | Windows | メール、FAX |
エコパッケージ | 13,200円 | - | インストール型 | Windows | メール、FAX |
弥生会計 20

- 音声や動画で解説されるスタートアップガイドで導入や設定を円滑に進めることができる
- 入力したデータは決算書へ自動で転記されるため、集計ミスや転記ミスを防ぐことができる
- 無料で自社に最適な税理士や会計事事務所を紹介してくれるサービスもあり
プラン | 導入費用 | 運用費用 | 形態 | 対応OS | サポート体制 |
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セルフプラン | 39,800円~ | 初年度:0円~、次年度以降:27,200円~ | - | Windows | - |
ベーシックプラン | 39,800円~ | 初年度:0円~、次年度以降:36,100円~ | - | Windows | メール、電話 |
トータルプラン | 49,300円~ | 初年度:0円~、次年度以降:55,600円~ | - | Windows | メール、電話 |
会計freee

- 口座やクレジットカードの取引履歴を読み込み、AIで自動仕訳をしてくれる経理機能が搭載されている
- チャットサポートで経理の疑問点をすぐに解消することができる
- 画面共有やコメント機能で税理士との連携もスムーズにおこなうことができる
プラン | 導入費用 | 運用費用 | 形態 | 対応OS | サポート体制 |
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ミニマム | - | 月額1,980円~ | クラウド型 | - | チャット、メール |
ベーシック | - | 月額3,980円~ | クラウド型 | - | チャット、メール、電話 |
プロフェッショナル | - | 月額39,800円~ | クラウド型 | - | チャット、メール、電話 |
自社にあった会計ソフトで会計業務を効率化しよう!
会計ソフトにはさまざまなサービスがあります。そんななかで、自社に適した会計ソフトを選ぶためには、自社の会計業務の課題を把握したうえで、必要な機能や予算を決めていくが大切です。
その際、今回紹介した選ぶ際の5つのポイントをぜひ意識してみてください。自社にあった会計ソフトを活用して業務を効率化していきましょう!