VA売買サービス終了、VALUが実現しようとした信用経済とは?

暗号資産(仮想通貨)を利用した資金調達サービスを提供する「VALU」は、2020年3月2日をもってVA売買サービスを終了することを発表しました。VALUは、有名な実業家である堀江貴文氏が出資していたサービスということもあり、話題を集めていたサービスです。
今回は、サービス終了の背景にある暗号資産取引を取り巻く環境の変化や代表小川晃平氏がVALUを通して実現したかった信用経済についてみていきます。

VA売買サービスの終了を発表したVALUとは?

VALU
HPより

VALU社は2020年1月15日、個人から資金を調達できるサービス「VALU」のVA売買サービスの提供を終了することを発表しました。

VALUは、暗号資産(仮想通貨)を利用した先進的なサービスとして著名な実業家である堀江貴文氏が出資しているサービスとしても注目を集めていました。しかし、2019年5月31日に可決された暗号資産に関する改正資金決済法によってVA売買サービスの継続が難しくなり、今回のサービス終了に至りました。

ではそもそも、VALUとはどういったサービスだったのでしょうか。ここでは、まずVALUとはどういったサービスであったのか説明し、暗号資産取引を取り巻く環境の変化を見ていきます。

VALUとはどういったサービス?

VALUは、個人が資金調達をおこなえるプラットフォームです。

資金調達をおこないたい人は、VALU上で自分のVA(※1)を発行して売りに出し、それを購入してもらうことで資金を調達することできます。購入者は、VAの発行者と直接つながったり、発行者が設定した優待を受けたりすることができます。

※1:VA
VALU上で発行することができ、売買な可能な権利券のことを指します。

VALUの仕組み
トルテオ編集部

また、発行されたVAは需要と供給に応じて価値が上下します。将来的に価値が上昇しそうなVAをあらかじめ購入しておき、価値が上昇してからほかの利用者に購入時よりも高い値段で売るといったような取引も可能です。そのため、VAは疑似株式と呼ばれることもありました。

VALUの公式サイトでは、「VALUは利益を出す投資を目的としたサービスではありません。投資目的のご利用はお控えください。」と明示しています。しかし、VAの仕組み上、株式市場でいう不正取引のような取引がおこなわれ、問題になることもあったようです。

過去には有名YouTuberによるVALU騒動でも話題に

VALUは、過去に有名youtuberによるVALU騒動でも話題になっています。騒動のきっかけは、3人のYouTuberが、VALUのサービス上で自分たちの評価を競い合うという企画で公開した動画です。

しかし、価格高騰を煽る発言をおこなったにも関わらず、何の前触れもなく自分たちの所有しているVAを全て売却するといった取引がおこなわれました。結果的にVAを発行した3人が多大な利益をえるかたちとなり、世間から激しくバッシングを受ける事態となりました。その結果、3人のYouTuberは活動休止に追い込まれ話題となりました。

暗号資産に関する改正資金決済法によりVA売買サービスの利用停止へ

VALUがサービスを開始した当初、暗号通貨は利用され始めて間もなかったため、暗号通貨に関する法整備はなされていませんでした。しかし、2019年5月31日に暗号資産に関する改正資金決済法が成立しました。それにより、VALUのVA売買サービスの継続的な運用は難しくなり、結果的にサービスを終了することとなりました。

暗号資産に関する改正資金決済法とは

では、そもそも暗号資産に関する改正資金決済法はどういった内容なのでしょうか。暗号資産の普及に伴い、暗号資産に関する新たな取引が生じ、暗号資産が投機対象化するなど事業規模が急拡大しました。その一方で、交換業者の体制整備が不十分であったり、顧客の暗号資産が流出するといった事例が発生しました。

こういった事態に対応するため、利用者保護の確保やルールを明確化を目的とした制度整備がなされるようになりました。暗号資産に関する改正資金決済法では、暗号資産の交換業務や管理業務に対する義務付けや規制、暗号資産取引の規定や禁止行為が具体的に決められました。

参考:改正資金決済法関係|金融庁

代表小川晃平氏がVALUで実現したかった世界観とは?

VALU社の代表を務める小川晃平氏がVALUを通して実現しようとした世界観はどういったものだったのでしょうか。

VALU社は会社のミッションとして「世界中の信用を評価し、資本主義をアップデートをし続けること」を掲げています。小川氏は、世界では信用を数値化することが一般的になってきているのにも関わらず、現状の法制度はその流れと大きく乖離していることに課題を感じています。

また、世界で生み出される価値は増加しているのにも関わらず、その資金配分には偏りがあり本当に資金を必要としている人に十分に配分されていないという状況もあります。こういった課題の解決に向け提供を開始したのがVALUです。

進む信用経済と信用の数値化

信用経済といった観点から、ここ数年では信用を数値化する動きが進んでいます。

例えば、中国ではAIに基づいた行動解析で個人の信用をスコアリングする「芝麻信用」といったサービスの提供が政府の後押しを受けて進んでいます。信用が高ければ特定のサービスが無料になったり、特定の国におけるビザの取得が用意になるなどの特典を受けることができます。また、インドでは、個人向けモバイルローン企業のひとつであるシュブローン社がクレジットスコアの算出方法として信用スコアの評価を取り入れています。

このように、世界で信用をスコアリングし、新たな評価指標として活用していく流れが進んでいます。また、個人が資金を調達する方法として、クラウドファンディングも一般化してきています。VALUは、これらを組み合わせたようなサービであったといえます。

今後の流れにも注目しよう

配分格差の是正と世界で普及しつつある信用経済の実現を目的に、暗号資産を利用した個人の資金調達サービスVALUは提供されました。しかし、暗号通貨への理解が進んでおらず法整備も整っていない状況と、VAと有価証券は同じような価値を持たせることが難しいという仕組みの問題点があり、小川氏の掲げる世界観の実現には高いハードルがありました。

VALUは今回、VA売買サービスの終了を発表しましたが、2020年4月1日に新しいサービスへアップデートするといった方向も明示しています。今後もVALUが提供していく価値に注目です。

公式Facebookページでもチェック最新記事をお届けします