経費精算のルール作成で押さえるべき7つのポイント|規定作成の目的や注意点を解説

社員数が多くなるほど、経費精算業務は煩雑になります。企業経営に不可欠な経費精算も、ルールを定めることで経理部門の負担を減らし、効率化することができるのです。今回は経費精算に関する社内規定を定める目的や、実際にルールをつくる際に押さえておくべき7つのポイントをご紹介。効果的なルール作成に向けて参考にしてみてください。

更新日:2021.1.20

経費精算にルール(規定)を定める目的

電卓を使う人
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経費精算のルール作成について紹介する前に、規定の作成がなぜ必要なのか、その目的を確認しましょう。経費精算の基本的な知識に関しては以下の記事でまとめましたので、ぜひご覧ください。

目的①|経理精算業務の負担を軽減する

経理担当者は、申請された経費が妥当であるか判断し、適切に処理をおこないます。そして、申請内容に不備がある場合はその理由を記載して、申請者に差し戻す必要があります。

社内で経費精算のルールが明確でなければ、申請する社員も申請内容に不備が生じやすく、差し戻し件数も多くなるため、経理担当の負担が膨大なものになってしまいます。経費精算に関する社内規定が周知されていれば申請の不備が減り、担当者の負担を減らすことができるでしょう。

目的②|経費の不正受給を防ぎ、法的リスクを回避する

経費精算に明確な上限金額や利用条件、不正に対する措置が定められていなければ、社員によって本来適正な金額以上の経費が申請されたり、不正に利用されたりするリスクが存在します。
過剰な経費の支出は、株主や市場から不必要に利益を圧迫しているなどの管理責任を問われ、企業としての社会的信用を失う危険性もあります。不正の温床を生まないためにも、社内規定の設定は不可欠といえるでしょう。

目的③|経費の利用を最適化する

経費は、企業経営にとって必要な支出です。しかし、利用条件や利用範囲が曖昧だと必要以上の経費が発生し、会社の経営状況を圧迫する要因の一つになる可能性があります。経費利用に関するルールを設けることで、経費の過剰利用を最適化することができるでしょう。

目的④|運用の公平性を保つ

もしも経費精算のルールがなければ、同じ用途で同じ金額の経費であっても、経理担当者の裁量次第で承認されるかどうかが変わってしまうということもあるでしょう。ルールに則った経費精算であれば承認作業に一貫性をもたせることができ、社内で公平性を担保した経費精算業務の運用ができるようになります。

経費精算にルール(規定)を設ける際の7つのポイント

書類
©Bacho – shutterstock

経費精算の社内規定の設定には、いくつか押さえておくべきポイントがあります。今回は7つにわかりやすくまとめましたので、リスクを排除した公平性のある規定策定に役立てていただけますと幸いです。

①経費の対象範囲を明記する

まず、どこまでを経費として認めるかといった経費の適用範囲を定めます。経費とはもともと企業経営や業務上必要な支出のことを指し、交通費や交際費、出張旅費などがこれに該当します。
業務形態によって経費として認めるべき範囲は異なるため、自社の業務形態に照らし合わせたルールを定めましょう。

また、アルバイトや非正規社員も経費の申請対象にするかなど、既定の適用範囲も明確にしておく必要があります。

②経費申請の上限金額を設定する

上限金額が決まっていなければ、必要以上の経費利用が生じる可能性があり、自社利益の損失につながる恐れがあります。経費の内容に応じて申請できる金額に上限を設定しておき、その金額を超える場合は事前に稟議書の提出を義務付けるなど規定を設けておくことが重要です。
また、役職や部署によって経費を使用する頻度や金額は異なるため、役職や部署の状況にも応じた上限金額定めましょう。

③経費申請の期限を設ける

経費申請が遅れると、領収書紛失のリスクが高まったり、経費利用に関する事実確認が難しくなったりするという恐れがあります。こうした情報が不十分では、場合によっては経費として認められず、申請者と経理担当者の間でトラブルが発生する可能性もあります。
社内規定として申請期限を設け、こうしたトラブルは回避できるようにしておきましょう。

④決裁者を設ける

決裁者とは、最終的に経費精算を承認する人のことを指します。もし決裁者がおらず自己決裁ができてしまう状況であれば、架空請求や水増し請求などの不正請求が起こっていても発覚することが難しくなるでしょう。
不正請求を防止するためにも、決裁者の経費精算には同席あるいは上席の決裁者の承認をもらう仕組みを整えると良いでしょう。

⑤報告書のフォーマットを用意しておく

経費申請に必要な書類は、入力内容と確認項目が一目でわかるよう、簡潔な書式にするのが効果的です。申請者である社員が記入しやすく、経理担当者にとって承認作業をしやすい書式を用意できれば、申請の不備やミスが減り、経費精算業務を円滑に進めることができます。

また、Web上には経費精算に使用できるExcelのテンプレートを無料でダウンロードできるサイトもあります。自社で作成するのが難しい場合には、こういったサイトから自社に適した書式をダウンロードして、参照するとよいでしょう。

⑥不正が生じにくい申請フローを作る

不正請求が発覚した段階で申請を却下するのはもちろんですが、そもそも不正請求が発生しないような仕組みをあらかじめ作ることが大切です。

例えば、経費申請を事後申請ではなく事前申請方式にしたり、あらかじめ経費として予定される金額を明記させ、実際の精算額が申請額より大きい場合には理由の明記や稟議書の提出を求めたりするなどの工夫をすると良いでしょう。条件を満たさない経費精算は、理由を明確に添えて却下するといった措置を取るのも効果的です。

⑦規定に対する例外は認めないようにする

一度周知したルールは遵守し、例外を原則認めないようにすることが重要です。一度でも例外を認めてしまうと、「以前はこの申請で通ったのに」「経理担当が○○さんのときはこの申請で通るのに」といった不公平な状況が社内で生まれてしまい、社員の不満につながりかねません。

経費精算で領収書を管理する際の2つのポイント

たくさんのレシート
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経費精算には、経費としての利用を証明するための領収書が必要です。経理担当者は日々莫大な量の領収書をチェックすることになります。少しでも領収書管理の手間を省けるように、領収書を預かる際にもルールを定めておきましょう。

領収書の記載事項に関する規定を定めておく

領収書は法律で「金銭又は有価証券の受取書」に該当し、課税対象となります。税務調査の際には領収書が重要なチェック書類となるため、企業は必要事項が記載された領収書をきちんと管理する必要があります。
領収書に必要な記載事項としては、「発行者の氏名」「日付」「取引内容」「金額」「宛名」が一般的です。事前に必要な記載事項を決め、規定として周知しておくことで記載漏れなどを防ぎましょう。

参考:金銭又は有価証券の受取書、領収書|国税庁

領収書が発行されないもしくは紛失した場合の経費精算ルールを決めておく

経費精算の書類は、領収書とセットにして提出するのが基本です。しかし、電車やバスの交通費や取引先への祝儀など、領収書が発行されない場合や領収書を紛失してしまう場合もあるでしょう。そうした場合に経費精算が承認されるのか、承認される場合にはどういった申請フローが必要になるのかルールを決めておけば、トラブルを未然に回避することができます。

各種経費精算に設けるべきルール(規定)の例を紹介

電卓とペンを持つ人
©Atstock Productions – shutterstock

一般的に、経費の利用内容として多いのが「交通費」「交際費」「出張旅費」の3つです。ここでは、それぞれの経費ごとに設けると良いルールを紹介します。

交通費

交通費は、利用する交通手段によって経費精算の計算方法が異なります。具体的には、交通手段によって以下のような違いがあるので押さえておきましょう。

公共交通機関の場合

経路検索サービスなどで利用経路と金額を調べます。目的地まで迂回したルートによる傘増し申請を防ぐために、「最も経済的かつ合理的な経路」を交通費の定義として規定している企業がほとんどです。

新幹線・飛行機・船舶の場合

金額が高額になりがちなため、利用条件を規定する企業が一般的です。また、役職により利用できるクラスが異なる場合は、そのことも明記しておきましょう。

自家用車、社用車の場合

移動距離に応じたガソリン代の支給をすることが一般的です。

交際費

交際費はほかの経費と異なり費用対効果が見えづらく、業務上必要な支出かどうかの見極めが難しいといった特徴があります。
そのため、申請の際には利用目的を明示するような規定を定めましょう。また、不要な交際費の発生を防ぐために、役職や部署、個人などのセグメントで月間・年間の使用上限金額を設定しておくことが効果的です。

出張旅費

出張旅費のルールを設ける際には、通常の外出と出張の違いを明確にしておくことが重要です。一番わかりやすい目安は宿泊を必要とするかどうかですが、日帰りの仕事でも出張経費としたい場合には、「片道○km以上の移動を伴う業務を出張として扱う」などとあらかじめ規定しておくと良いでしょう。

また、出張費は高額になりがちです。支給が翌月になると社員の生活を逼迫する恐れがあるため、仮払いの規定を作成し、社員が出張に行く前に企業側から想定額を支給できるような仕組みを作っておくことも望ましいでしょう。

経費精算に適切なルール(規定)を設けて業務を効率化しよう

経費精算の規定を定めることで、経費の利用を最適化させ、無駄遣いや不正受給を防止することができます。また、経理担当者の負担も軽減することができます。支出を減らし自社の利益を拡大するためにも経費精算のルールを明確化して、経理業務を効率化させましょう。

また、経費精算業務を効率化するためのシステムは多数存在します。以下の記事を参照して、自社に適した経費精算システムを選んでいただけますと幸いです。

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