Web会議での名刺交換方法やツール選びのポイントを徹底解説
新しい生活様式の普及により、さまざまな場面でWeb会議が浸透しつつあります。初対面の相手と非対面で話し合うケースもあるでしょうが、そのようなときに困るのが名刺交換ではないでしょうか。しかし、そもそもWeb会議で名刺交換は必要なのでしょうか。
必要だとしても、オンラインでどのようにすればスムーズな名刺交換が可能なのか気になるところです。そこで、今回はWeb会議で名刺交換する必要性とそれを可能にする方法について解説します。
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Web会議でも名刺交換する必要性は高く、機会も増加中

オンラインでの会議に名刺交換は必要なのでしょうか。
なかには、Web会議が今後そこまで増えることはないと思われる人も多いかもしれません。
確かに以前はビジネスシーンにおいて、オンラインによるコミュニケーションは失礼にあたるという考え方もあり、可能な限り対面で会うのが主流でした。
しかし、新型コロナウィルス感染症の拡大対策として新しい生活様式を推奨している政府からも「会議や名刺交換はオンラインでおこなう」という提案がされています。(※1)
テレワークやリモートワークの割合を増やすように要請されていることからも、今後はさらにWeb会議で名刺交換をする機会は増えていくでしょう。
コロナ禍が収束後も、その利便性から従来のスタイルに戻る可能性は低いと考えるのが自然です。
Web会議中に口頭で自己紹介するよりも、名刺交換をしたほうが情報を正確に伝えられます。
オンラインで名刺交換をスムーズにおこなうためにも、ツールの使い方を知っておいて損はありません。
※1:専門家会議/「新しい生活様式」と「業種別ガイドラインの留意点」提示|流通ニュース
Web会議で名刺交換を可能にする4つの方法

Web会議で名刺交換を可能にする方法として、次の4つが考えられます。
- メールで名刺の情報を送る
- Web会議中にチャット機能を使って名刺データを送付
- 自分の連絡先情報を入れたWeb会議用の背景をつくる
- 名刺管理サービスのオンライン名刺作成ツールを活用する
紙の名刺をスキャンしてデータ化したものを相手に送付したり、QRコードなどを活用して相手に名刺に記載されている情報を相手に知らせたりする方法が一般的です。
1.メールで名刺の情報を送る方法
名刺の内容をデータ化して、メールで送信する方法があります。
メールの本文内にオンライン名刺のURLなどを追加し、会議前に確認してもらいます。SNSなどを使うケースもあります。
⒉Web会議中にチャット機能を使って名刺データを送付する方法
Web会議中にチャットツールを起動させて、名刺データを送付する方法もあります。
PDFや画像ファイルを送付できるWeb会議システムを使っていれば、会議中にそのまま名刺データを送付できます。
3.自分の連絡先情報を入れたWeb会議用の背景をつくる
Web会議では背景画像を設定するのが一般的ですが、オンライン商談用に連絡先情報のQRコードが入ったバーチャル背景画像を用意しておく方法です。
紙の名刺のように、社名・役職・名前・メールアドレス・SNSのQRコードなどが入り、顔写真の部分に自分の姿が映るようになる壁紙作成ツールもあります。
QRコードと自分の顔が被らないよう、画面の左端に連絡先情報のQRコードを置くのがおすすめです。
また、名刺は企業の顔となるビジネスツールでもあるので、コーポレートカラーを押し出したデザインなどで統一させましょう。
4.名刺管理サービスのオンライン名刺作成ツールを活用する
名刺管理サービスのオンライン名刺作成ツールを活用する方法は、もともと紙の名刺をデータ化して管理するシステムにある機能を使います。
単に名刺を交換するだけではなく、商談後は案件管理や社内で名刺データを共有管理するにも便利です。
名刺の形を活かして交換できるのもメリットの1つです。
名刺をスキャンしてデータ化という工程がなくなり、かえって利便性が高くなるという見方もあります。
Web会議で活用できる名刺交換サービス5選

ここからは、Web会議で名刺交換に活用できる以下のサービスを紹介します。
- Eight(エイト・株式会社Sansan)
- Sansan(サンサン・株式会社Sansan)
- myBridge(マイブリッジ・LINE株式会社)
- ホットプロファイル(株式会社ハンモック)
- バーチャル背景ジェレネーター(株式会社キッズプレート)
1.個人向けの名刺管理ツールとして高いシェアを誇っている「Eight」

Eightは個人向けの名刺管理アプリで、スマホで撮影して登録した名刺を、ラベルによってグルーピングしてくれます。
あらかじめ登録した名刺データのQRコード自動生成や、QRコード入りのバーチャル背景も作成可能です。
相手がQRコードを読み込むと、名刺交換が完了するシステムです。
スマホ・PCどちらからもアクセス可能で、フィード機能を使ってSNSのようにつながることもできます。
初対面の人にも「名刺」の形のまま連絡先を交換できるため、オンライン名刺交換に抵抗がある人にもおすすめです。また、管理している名刺について、異動や昇進など情報が変わった際に通知が届く便利な機能もあります。
基本的に無料ですが、年額4,800円の「Eightプレミアム」には連絡先アプリと連携可能になるなど、より便利な機能が備わっています。
個人向けサービスとなっていますが、少人数や、名刺管理コストを抑えたい企業にもおすすめです。
2.3つのプランから選べる法人向け名刺管理サービス「Sansan」

SansanはEightと同じ企業が運営している、法人向けの名刺管理システムの代表格といえるサービスです。
事前に登録したオンライン名刺のURLを相手に送るだけで、名刺情報にアクセス可能になります。
双方がSansanのサービスを利用している場合は、URLだけで名刺交換が完了します。
どちらかがサービス未加入の場合でも、URLから相手の名刺情報をダウンロードする際に表示されるQRコードを使い、自分の名刺をスマホで撮影するだけで名刺画像が登録されて、名刺交換が完了します。
交換した名刺情報は自動的にSansanに登録されて、人脈のデータベース化が簡略化できて顧客管理にも有効です。
基本のプランはLite・Standard・DXの3つあります。
初期費用や運用支援費用・ライセンス費用(月額)については、導入検討の際に見積依頼書によってその企業に最適なプランが提案されるため、見積もりを依頼しないとわからないシステムになっています。
主な機能としては、以下の通りです。
- 名刺管理機能(名刺のデータ化・オンライン名刺作成など)
- 顧客管理(CRM)機能(人事異動や叙勲受賞情報・帝国データバンク連携など)
- コミュニケーション機能(社内クラウド電話帳や社員のプロフィールを統合管理など)
- 連携機能(SFAやCRMなど顧客データの統合・OpenAPI・CSV出力など)
- セキュリティ機能(2要素認証・IPアドレス制限・デバイス利用制限・利用ログダウンロードなど)
部署や従業員数が多い企業におすすめのサービスです。
3.LINEが運営する全て無料の名刺管理アプリ「myBridge」

myBridgeはLINE社が運営する名刺管理アプリで、他社では有料となっているサービスも含めて全て無料で利用できるのが大きなメリットです。
オンラインの名刺交換は、URLを相手に送るだけで完了します。
交換した名刺情報を共有するのも、LINEのトーク画面から簡単におこなえます。
myBridgeに名刺を登録していれば、スマホの連絡先に未登録の相手から着信があった場合に、相手の名刺情報が表示されるなど仕事でもLINEを活用している人には特におすすめのアプリです。
LINEというとスマホのイメージですが、myBridgeはPCでも利用可能です。
myBridgeの主な機能は以下の通りです。
- 名刺は撮影するだけで正確にデータ化
- QRコードを埋め込んだ背景画像の作成
- 社内で共同管理する共有名刺帳
- 着信時に発信者情報を表示
- LINEとの連携
- 連絡先をExcelファイルやGoogle連絡帳にダウンロード
- 他サービスに登録した名刺データの簡単移行
- 入力・転送・保存全てのデータを暗号化
- 24時間365日リアルタイムのモニタリング
4.顧客管理ツールとしても定評のある「ホットプロファイル」

ホットプロファイルはオンライン名刺管理ツールとしてだけではなく、営業活動サポートに重点が置かれたクラウドサービスです。
Web会議中に表示させたQRコードを相手がスマホで読み取ると、簡単に電話帳に登録されます。
それから相手が自分の名刺をカメラで撮影すれば、名刺交換は完了です。
交換された名刺データは「お客さまカルテ」として営業活動履歴・興味・関心といった顧客のさまざまな情報と連携してクラウド上に管理されます。
費用は、オンライン名刺交換と管理ができる基本パックが1ユーザーで月額3,000円、さらに営業支援がついたSFAパックは1ユーザー月額5,000円です。他に必要に応じてオプションもつけられます。
また、人数に応じたボリュームディスカウントや30日間の無料トライアルを実施しています。
オンライン名刺交換と管理以外に営業ツールとして総合的に強化を検討している企業におすすめのサービスです。
5.手軽にQRコードつき背景が作れる「バーチャル背景ジェネレーター」

ここまで紹介した4つのサービスは全て名刺管理サービスでしたが、名刺データを管理するほどではなく、もっと手軽なオンライン名刺交換がしたい場合におすすめなのが、バーチャル背景ジェネレーターです。
名刺交換には、お互いにQRコードつき背景を作って読み込み合う必要がありますが、プライベートなどに使いたい人にはおすすめです。
名刺のような背景が作れる「バーチャル名刺背景ジェネレーター」もあります。
Web会議ツールには欠かせないバーチャル背景に、あらかじめ作成したプロフィールなどを読み込むためのQRコードを自動作成し、配置できます。
背景画像だけですから、使用するWeb会議ツールの選択肢が広くなるでしょう。
また、自分で気に入ったイラストやグラフィックを背景画像に使う場合は、Photoshopやパワーポイントなどを使って自作するのも1つの方法ですが、著作権には注意が必要です。
Web会議でスムーズに名刺交換を可能にするツールを活用しよう
新しい生活様式によってWeb会議が浸透しつつあります。
従来の対面での名刺交換する機会は減り、オンラインで名刺交換するケースが増えています。
「オンラインだから名刺を交換しなくてもいい」のではなくて、「オンラインだからより効率的でスムーズに名刺交換できる」と考えてみるのはどうでしょう。
Web会議で名刺交換するには、メールやSNSで名刺の情報をやりとりしたり、Web会議のバーチャル背景に連絡先情報にアクセスできるQRコードを貼り付ける方法などがあります。
なかでも、名刺管理ツールの名刺交換機能がおすすめです。
名刺交換後は、商談の案件管理や顧客情報管理もできるなど大きなメリットがあります。
データ化された名刺をオンラインで交換すれば、もともと紙の名刺をスキャンしてデータ化する手間も省けます。
今回、紹介した名刺交換に活用できるサービスには、便利な機能を完全無料で利用できるものや、有料サービスをお試しできるものもあります。
自分に必要な機能とコストを考えて最適なサービスを選びましょう。