ビジネス文書の書き方|知っておきたい10のポイント

ビジネス文書の作成は社会人にとって欠かせないスキルです。
礼儀正しくわかりやすいビジネス文書を書くことで業務の効率化や信頼関係の構築に役に立ちます。
ここでは、そんなビジネス文書を書くための10個のポイントを紹介します。

なぜビジネス文書が必要なの?

企業では情報の意思の伝達は文書によっておこなわれるのが普通です。
その理由は、文書には以下の特性があるからです。

  1. 証拠として文書が残る
  2. 正確に伝達できる
  3. 同時に大勢の人に伝達できる

口頭や電話での伝達では、言い間違えたり聞き間違えたりすることがあり、「言った」「聞いていない」など、思い違いによるトラブルにつながることがあります。
しかし、文書にすることで、伝達内容が正確に伝わる上に記録が残るのでこのようなトラブルを回避することができます。

この記事では、そんなビジネス文書についての基本的な知識や書き方のポイント、基本的なフォーマットを紹介していきます。

社内文書の基本フォーマットはこちら

社外文書の基本フォーマットはこちら

ビジネス文書の種類

ビジネス文書は大きく分けて「社内文書」と「社外文書」の2種類に分かれます。
それぞれの特徴を簡単に説明します。

社内文書

社内文書は社内の人に向けて発信されるビジネス文書で、連絡事項が効率的に伝わることが優先されます。

社外文書

社外文書は社外の人に向けて発信されるビジネス文書で、受信者を尊重した礼儀正しい文書であることが重要です。

ビジネス文書の書き方10個のポイント

では、具体的にビジネス文書を書くために気をつけるべき点や書き方のルールにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、ビジネス文書の作成に役立つ10個のポイントを紹介します。

ビジネス文書の書き方①:読み手にあわせた文を書く

ビジネス文書を書く時に、最初に考えなければならないことは誰に向けて書くのかという点です。
対象を明らかにすることで、対象の読み手が読みやすい内容と表現を決めることができます

具体的には以下のことを把握しておくと良いでしょう。

  • 読み手の経験や知識がどの程度か?
    専門用語を使うか否か、説明を加えるかどうかを決めます。
  • 読み手は何を知りたいのか?
    必要な情報と不必要な情報を取捨選択します。

ビジネス文書の書き方②:結論から書く

ビジネス文書では、結論は最初に書くのが基本です。
その後に、結論に至るまでの経緯を書きます。

最初に結論が書かれていると、読み手はいち早く文章の内容を捉えることができます。
早く理解ができると、次の行動にすばやく移ることができるためスムーズな業務へとつながります。

また、内容を大まかに理解した状態でその後の文章を読み進めることができるので、その後の内容もより理解しやすくなります。

ビジネス文書の書き方③:簡潔に書く

読み手にとって文章が理解しやすいように、文章は簡潔に書きます。
具体的には以下のポイントを意識してみましょう。

短い文章を書く

文書は一文がだらだらと長いよりも一文が簡潔で短いほうが読みやすくなります。そのため、接続詞のタイミングで文章を区切ると良いでしょう。
たとえば、以下のような文章は接続詞を意識して区切ることで、簡潔で短い文章にすることができます。

今回の会議では、A案を採用することが決まりましたが、A案を実行する上でいくつかの課題が指摘されましたので、次回の会議ではA案で課題となっている○○という点について話し合いを進めていきます。

今回の会議では、A案を採用することが決まりました。
しかし、A案を実行する上でいくつかの課題が指摘されました。
そのため、次回の会議ではA案で課題となっている○○という点については話し合いを進めていきます。

重複表現を避ける

重複表現は文章を長くし、文意をわかりにくくしてしまうので避けるべきです。
重複表現には例えば以下のようなものがあります。

  • 各部署ごとに⇒「各部署で」「部署ごとに」
  • ○月○日から提供開始⇒「○月○日から提供」「○月○日に提供開始」
  • どうぞ、お体をご自愛ください⇒「どうぞ、ご自愛ください」

ビジネス文書の書き方④:1つの文書には1つの用件

ビジネス文書は1つの文書で1つの用件を伝えることが基本です。
1つの文書の中に複数の用件があると、読み手には何が重要なのかわかりにくくなってしまいます。
また、全てが重要な用件だとしても1つひとつの用件の印象が薄くなり、相手に伝達内容が伝わりきらなくなってしまいます。
読み手のことを考えて、用件は1つに絞りましょう。

ビジネス文書の書き方⑤:5W3Hの要素で構成する

必要な情報をもれなく書くためには5W3Hを意識すると良いでしょう。
文書を作成する際には、5W3Hの要素が含まれているかを確認することで必要事項の漏れを防ぐことができます。

5W3Hとは?
種類 内容

5W3Hの要素

確認する内容

When(いつ)

日付・時間・曜日・期間

Where(どこで)

場所

Who(誰が)

発信者・受信者・主催者・対象者

What(何を)

用件

Why(なぜ)

目的・理由・根拠

How(どのように)

手段・方法

How many(いくつ)

数量

How much(いくら)

費用

ビジネス文書の書き方⑥:箇条書きにする

同列の内容が続く場合は、箇条書きでまとめるとわかりやすくなります。
例えば、以下のような文章を例に取ります。

11月28日の13時10分から会議室Bでビジネスマナーの研修をおこなうので、筆記用具を忘れず持参してください。

この文章のように、日付や時間、用件などを文章に詰め込んで書いてしまうと大変見づらくなるでしょう。
そこで、以下のように箇条書きによって構成ごとに整理すると、全体が見やすくなります。

ビジネスマナー研修について以下のとおり実施しますのでご参加ください。

  • 日時:11月28日 13時10分
  • 場所:会議室B
  • 持ち物:ノート、鉛筆

ビジネス文書の書き方⑦:段落をつける

箇条書きができない場合には段落をうまく使ってみましょう。
文章をひたすら連ねて書くよりも、文章を内容ごとに分けて段落をつけると読みやすくなります。

ビジネス文書の書き方⑧:数字を使う

ビジネス文書は正確でわかりやすく、かつ具体的である必要があります。
そのため、金額や数量、日時などはっきりとした数字を用いて表現することがポイントです。
例えば、10時に始まる会合について招集をかける場合を考えてみてください。

  1. 「10時までにお越しください。」
  2. 「9時50分~10時00分の間にお越しください。」

1つ目の文章と2つ目の文章ではどちらが良いと思いますか?
1つ目の文章では「10時まで」と書かれているだけであり、受信者にはどの程度早く到着するべきなのか伝わりません。

受信者によっては、30分前に到着する人や10分前に到着する人、10時ちょうどに到着する人など様々です。
1つ目の文書のような曖昧な表現は避けるべきでしょう。
2つ目の文章のように記載すれば受信者は、「9時50分から10時の間に到着すればよいのだな。じゃあこの電車に乗ろう」と具体的に予定を立てることができます。

ビジネス文書の書き方⑨:言葉遣いは統一する

文章を書くときは文体や言葉遣いを統一する必要があります。
そもそも、現代口語文の文体は大きく敬体と常体に分けることができます。
敬体とは「です」「ます」「ございます」などの丁寧語で統一された文章のことで、常体は敬語を用いず「だ」「である」調を用いた文章のことです。

読み手に対する気遣いと敬意、マナーを表す必要があるビジネス文書では、敬体で統一しましょう。
しかし、箇条書きを入れる場合は常体を用いても良いでしょう。なぜなら、箇条書きは端的にわかりやすく伝えることが目的であるからです。

ビジネス文書の書き方⑩:正しい敬語を使う

正しい敬語は基本中の基本です。
間違った敬語は受信者を不快にするだけでなく、「この会社は社員教育が行き届いていないのかな?」などと思われて会社の印象を左右することもあります。
ここで改めて3種類の敬語を再整理しておきましょう。動作主やものの所有者を意識して3種類の敬語を使い分けることが大切です。

尊敬語

相手を立てることによって敬意を表現する言葉です。相手の行動や物、所属、状態が敬語の対象になります。

(例)社長が言う ⇒ 社長がおっしゃる

謙譲語

自分をへりくだることで相手に敬意を表現する言葉です。
自分や、自分の所属する集団の物そしてその行動が敬語の対象となります。

(例)(私が)社長に言う ⇒ 社長に申し上げる

丁寧語

聞き手に対して直接敬意を表現する言葉です。
話の中の動作主に関係なく「です」「ます」「ございます」を用いて話を聞いている人に敬意を示します。

(例)(社長に「ちょっと来て」呼ばれたとき)今行く ⇒ 今行きます

社内文書の基本フォーマット

これまで、ビジネス文書を作成する時に役立つ、10個のビジネス文書の書き方のポイントを紹介してきました。
では、実際にビジネス文書はどのような文書があり、どのようなフォーマットで書かれているのか紹介します。
社内文書と社外文書では形式が異なる場合が多いので今回は別々に紹介します。
まずは社内文書です。

社内文書の例

社内文書には以下のような文書があります。

部署間や該当する社員へ連絡事項を伝達するための文書

通知文

会議や開催、講演会の実施、就業規則の変更を通達する文書

回覧文

業務連絡、社内行事の開催などを伝えるため、複数の社員間で回覧する文書

案内書

社内行事への参加を案内するため文書

稟議書

提案に対する承認を得るために関係者に回すための文書

依頼書

特定の業務や手続きなどのお願いごとを依頼するための文書

上部へ連絡の伝達や指示を仰ぐための文書

報告書

業務の状況、調査結果、出張などの報告をするための文書

上申書

上部に意見を伝えるときの文書

提案書

社内の業務改善などを提案をする文書

届出書

休暇、早退、退職を申請するための文書

会社の上層部や人事部からの伝達事項や指示を伝える文書

指示書

業務の指示を伝える文書

通達書

社内規定、労働条件、採用を伝えるための文書

辞令

転勤、昇進、出張を指示する文書

記録をするための文書

議事録

会議での発言や進行内容を記録する文書

社内文書のフォーマット

社内通知文書の基本フォーマットは以下のとおりです。ここでは、通知文を例にとります。

社内文書の基本フォーマット

①文書番号

文書番号を右詰めで記載します。
例えば「総務部発第30号」のように記され、総務部が発信した第30番目の文書ということを表します。
統一された文書番号をつけることで文書管理を効率化することができます。

特に、連続して蓄積されるような文書を整理する際に役に立つのが文書番号です。
文書番号は会社によって表記が異なったり、文書番号を必要としない文書もあるので自社の表記ルールを確認しましょう。

②発信の日付

文書の作成日ではなく文書を発信する日付を右詰めで記載します。
通常は、年、月、日の順に記入します。
年について、和暦を用いるか西暦を用いるかは会社の規定に従ってください。
以下のように省略したり簡易的に書く書き方は避けるべきです。

  • H30.12.04
  • 30/12/04
  • 12月4日
  • 平成30年12月吉日

ただし、吉日という表現は社交文書の慶事(冠婚葬祭)の挨拶に用いることができます。
一般的な公的文書では正確さが重要になるので、むやみに使用しないようにしましょう。

③受信者名

文書の受信対象者を左詰めで記載します。
よく用いる表現は「○○各位」「○○様」「○○殿」です。
各位は受信対象者が大勢いる場合に用います。
例えば、社員全員に発信する場合は「社員各位」のように書きます。

④発信者名

文書の発信者を右詰めで記載します。
社内向け文書では部署と役職、氏名を記載することが一般的です。
また、氏名を省略し部署名や職名のみで記載されることもあります。

⑤本文、記書き

まず、中央寄せで件名を書きます。
件名は簡潔かつ、おおまかな文書の連絡内容が伝わるように書きます。

次に、左詰めで本文を書いていきます。最初は1文字字下げして書き出します。
社内文書では連絡事項が効率的に伝わることが優先されるので、特別な敬語表現を用いず、敬体(です・ます調)で書くのが普通です。

箇条書きをする際は記書きをします。
中央寄せで「記」と書き、その下から常体(だ・である調)で箇条書きをします。
図のようにナンバリング(1、2、3・・・)をすると見やすくなります。

⑥追伸

メインの伝達事項と直接関係のない内容は、「なお、~」などを用いて追伸(従)として書きます。
もしくは、記書きの最後に備考の項目を作り追伸内容を記入する方法もあります。

⑦以上

伝達内容の最後に「以上」と右詰めで記載し文書をしめます。通達内容が終了し続きがないことを示します。

⑧担当者名

発信者と別途で担当者がいる場合は担当者の氏名と連絡先を右下に記載します。

社外文書の基本フォーマット

次に社外文書を紹介します。社外文書は特有の言い回しがあるのでしっかり押さえておきましょう。

社外文書の例

社外文書には以下のような文書があります。

取引に関わる文書

通知状

休業日、取引変更、総会の開催などお知らせを通達するための文書

勧誘状

新規取引、セミナー、入会などの勧誘をする文書

照会状

在庫の状況、商品未着などに対する問い合わせをする文書

回答状

照会状に対して回答する文書

交渉状

契約条件、値引きの交渉をする文書

注文状

商品を注文をするための文書

依頼状

請求書の送付、見積もり表の作成などを依頼するための文書

承諾状

依頼、受注に対する承諾をする文書

申込状

取引、加入、求人の申し込みをする文書

断り状

依頼、勧誘を断るための文書

督促状

支払い、商品の発送などを催促する文書

取引を円滑にするために会社同士の関係を構築する社交・儀礼上の文書

挨拶状

会社の設立、役員の就任や交代などで挨拶する文書

招待状

式典、祝賀会などへの招待をする文書

礼状

注文、出張訪問、出席などに対するお礼を伝える文書

案内状

展示会、講演会、商品の発表会へのご案内をする文書

祝賀状

開店、社長就任、創立記念日に対するお祝いを伝える文書

見舞状

病気、怪我、自然災害、事故に対しするお見舞いの文書

弔慰状

取引先の訃報に対して、葬儀に参列できない場合にお悔やみを伝えるための文書

社外文書のフォーマット

次に、社外文書の案内状のフォーマットを例として紹介します。
社内文書と類似した参加招集が通達内容となっていますが、社内文書とは異なるルールがあるので押さえておきましょう。

社外文書の基本フォーマット

①発信の日付

文書の発信日を右詰めで記載します。
日付は省略したり簡易的に書いたりしないようにしましょう。
詳しくは、社内文書の基本フォーマットでの「発信の日付」解説を参照してください。

社内文書の基本フォーマット「発信の日付」はこちら

②受信者名

文書の受信対象者を左詰めで記載します。
対象者の会社名や部署、名前、敬称を誤字脱字のないように正確に書きましょう。
複数の対象者宛てに発信する場合は、「お客様各位」「取引先各位」のように「○○各位」という表現を使います。

③発信者名

文書の発信者を右詰めで記載します。
社外向け文書では自分の所属する会社名、部署、名前を書きます。

④本文

社内文書と同様にまず、中央寄せで件名を書きます。
社外文書の本文は前文、主文、末文から構成されます。

<前文>
まず、頭語を書きます。
頭語は「敬具」や「謹啓」などといった文書における挨拶です。
一般的に結語とセットで使われます。ここでは代表的なものをいくつか紹介します。

文書の場面 頭語 結語

一般的な文書

拝啓

敬具

前文を省略する文書

前略

草々

急用の文書

急啓

草々

返信の文書

拝復

敬具

より丁寧な文書

謹啓

白啓(敬具)

次に、1文字開けて、時候の挨拶を書きます。
時候の挨拶とは「陽春の候」のような季節や天候に即した挨拶のことです。
文書を発信する季節に合わせた時候の挨拶を選びましょう。
どの時候の挨拶を使うべきか迷った時は「時下」という1年を通して使うことができる表現を用いると良いでしょう。

時候の挨拶の後には、相手の会社の繁栄を喜ぶ挨拶が続きます。
最後に、日頃お世話になっていることに対するお礼を丁寧に述べて前文を終えます。

<主文>
前文で挨拶を済ませたら用件に入ります。
その際、「さて」「ところで」などといった起語を用いて用件に入ることを知らせます。
用件は簡潔に書きます。

<末文>
最後に結びの挨拶文を入れます。
そして、頭語に対応した結語を右詰めで記入して文書を終わります。

⑤記書き

本文に書くと長くなる内容やわかりにくくなる内容は記書きで箇条書きします。
記書きの最後には社内文書と同様に「以上」を右詰めで書いて伝達内容の終了を示しましょう。

社外文書に使える慣用句

TPOに合わせた服装や言葉使いがあるように、ビジネス文書にもそれぞれの文書に適した表現があります。
ここでは、ビジネス文書特有の慣用表現をいくつか紹介します。

用語 意味・使い方

ご発展
ご隆盛
ご清栄

相手の会社の発展に対する喜びの挨拶をする際に使います。法人に向けて使います。
例:貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
貴社におかれましては一段とご隆盛のこと拝察いたします。

ご健勝
ご清祥
ご活躍

相手の健康や幸せ、活躍を喜ぶ挨拶の言葉です。個人に向けて使います。
例:○○様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

ご高配

相手の配慮や思いやりのことを指して感謝を述べる際に使います。
例:平素はひとかたならぬご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

ご査収

資料や納品書、請求書を送付した際に「よく確認して受け取ってください」という意味で使います。
例:納品書を同封いたしましたので、ご査収ください。

かたがた

「兼ねて」という意味です。
例:御礼かたがたご挨拶申し上げます。

書中をもって
書面にて

「文書で」という意味です。
例:まずは書中をもって御礼申し上げます。

わかりやすいビジネス文書で情報伝達の効率化を

ビジネス文書を書くために重要なポイントや基本的なフォーマットを紹介してきましたが、いかかでしたか。
ビジネス文書の目的は相手に情報を伝達することですが、礼儀正しくわかりやすいビジネス文書は業務の効率化や信頼関係の構築にもつながります。
ここで紹介した10個のポイントなどを使って、相手に気持ちよく伝わるビジネス文書を作成していきましょう。

公式Facebookページでもチェック最新記事をお届けします