【追記】宅ふぁいる便サービス終了|代わりになるファイル転送サービス5選
個人情報の漏洩によってサービスを停止させていた宅ふぁいる便は2020年1月14日、サービスを終了させる決定をしました。そもそもどのようにしてサービスを停止するに至り、その後どのようにしてサービスを終了することになったのでしょうか。
今回は、宅ふぁいる便がサービス終了に至った経緯を解説するとともに、代わりに使えるファイル転送サービスを紹介します。
Outline
2020年1月14日、宅ふぁいる便サービス終了のお知らせ
2020年1月14日、オージス総研社は、「宅ふぁいる便」のサービスを終了すると発表しました。
宅ふぁいる便は、ファイル転送サービスのさきがけとして、多くのビジネスパーソンに利用されてきました。
しかし、2019年1月、外部からの不正アクセスにより情報漏洩が発覚しました。
長きにわたり利用されてきた、宅ふぁいる便。それだけに、情報漏洩による被害は約480万件と、類をみないほど大きなものになりました。
事件以降、同社はサービスを停止し、詳細な原因に究明・サービス再開の検討にあたっていたといいます。
しかし、今回、サービスの再構築に要する時間・費用などを総合的に判断した結果、サービス終了という発表がなされました。
今回の発表を受けて、Twitterなどでは、同サービスの終了を惜しむ声が多数聞かれました。
参考:「宅ふぁいる便」サービス終了のお知らせ(2020年1月14日)
宅ふぁいる便が2020年3月末で終了するとのこと。
ファイル交換サービスとしては約20年前からある老舗ですが、当時作ったシステムを今の時代に合わせた改修が困難ということでしょう。
他にも昔から利用しているサービスを棚卸ししてみるのもいいかも。#セキュリティhttps://t.co/1rGsfKVN3I— わかばやし (@cloba165) January 15, 2020
宅ふぁいる便、前の会社で大変お世話になりました…ありがとう🙏ナムナム
— てんてん(南瓜の天ぷら) (@Kabocha_Saikou) January 15, 2020
宅ふぁいる便、回線弱い頃はお世話になったなぁ。。もはや、メールでデータやり取りしないのは時代を感じる。
— ゆかこ (@dg21589) January 14, 2020
宅ふぁいる便は2019年1月不正アクセス被害を報告し約480万件の個人情報が流出。過去の退会者のIDなどが削除されてなかったこと、IDやパスワードが暗号化されずに保存などのずさんさから、批判を浴びていました。サービス再開を待ち望んでたのに残念。
— はらへっぴり腰 (@BlackSheep3791) January 14, 2020
ファイル転送サービス、宅ふぁいる便とは
そもそもファイル転送サービスである宅ふぁいる便とは何なのかを紹介します。
ファイル転送サービスとは
そもそもファイル転送サービスとは、容量の大きなデータを送信・受信することができるサービスのことです。
メールソフトで送ることのできない大きなデータを簡単に送信することができるため、クライアントに大容量のファイルを転送するときや、企業間でデータを送信する際などでよく利用されています。
このファイル転送サービスを利用することで、今使っているメールサーバーの容量がいっぱいになるのを防いだり、データを圧縮する手間を省いたりすることができるというメリットがあります。
宅ふぁいる便とは
宅ふぁいる便とは、数あるファイル転送サービスのなかの1つであり、大阪ガスグループのオージス総研社が提供しています。
「宅ふぁいる便」「宅ふぁいる便ビジネスプラス」「オフィス宅ふぁいる便」の3つのサービスを提供しています。無料会員が約330万人、有料会員が約2万人にも及びます。
宅ふぁいる便の情報漏洩問題
今回、宅ふぁいる便にはどのような事件がおこったのかをここで紹介します。
個人情報の流出
今回、宅ふぁいる便を利用していたユーザーの個人情報が漏洩するという事件が起こりました。
2019年1月22日午前11時ごろに不審なファイルがあることをオージス総研社が発見して以降、調査を続けた結果、約480万件のメールアドレス、ログインパスワード、そして生年月日が漏洩していたことが判明しました。
参考:「宅ふぁいる便」サービスにおける不正アクセスによる、お客さま情報の漏洩について(お詫びとお願い)
また今回、オージス総研社によると「オフィス宅配ふぁいる便」への不正アクセスは見つかっていないとされており、「宅ふぁいる便」「宅ふぁいる便ビジネスプラス」のユーザーが個人情報漏洩の対象になっていたようです。
パスワードを暗号化していなかった
今回、宅ふぁいる便で個人情報が漏洩した背景には、パスワードが暗号化されていなかったことがあげられます。
多くのサイトでは、顧客からパスワードを取得した際、そのパスワードが第三者に悟られないように暗号化して管理します。しかし宅ふぁいる便では、そのパスワードが暗号化されておらずそのまま管理されていました。
そのため、外部から攻撃によって不正に取得されたパスワードがそのまま流出し、二次被害が拡大する可能性があります。
宅ふぁいる便の代わりに使えるファイル転送サービス5選
現在「宅ふぁいる便」「宅ふぁいる便プラス」はサービスを停止しています。
そこで、宅ふぁいる便に代わって使える、おすすめのファイル転送サービスをここでは紹介します。
宅ふぁいる便よりも使いやすかったり、費用が安かったりするものもあるので、代わりに何を使おうか迷われている方はぜひこの中から選んでみてはいかがでしょうか。
データ便

データ便は、2004年にサービス提供開始、月間300万人が利用するファイル転送サービスです。
会員登録無しで使える「ライトプラン」や、会員登録をするだけで1GB無料で使える「フリープラン」、そして容量無制限で使える「ビジネスプラン」に分かれており、必要なデータ容量に応じてプランを変更して活用できます。
プラン | 費用 | 会員登録 | 1回の転送容量 | データ保管期間 |
---|---|---|---|---|
ライトプラン |
0円 |
× |
500MB |
3日間 |
フリープラン |
0円 |
○ |
1GB |
3日間 |
ビジネスプラン |
送信機能のみ:月額300円 |
○ |
無制限 |
30日間 |
ラクスルBOX

ラクスルBOXは、ネット印刷サービスを提供するラクスル社が提供するファイル転送サービスです。
会員登録をするだけで、無料で2GBのデータを送信することができます。
プラン | 費用 | 会員登録 | 1回の転送容量 | データ保管期間 |
---|---|---|---|---|
ー |
0円 |
○ |
2GB |
7日間 |
firestorage

firestorageは、保存容量が無制限で利用できるファイル転送サービスです。
個人プランと法人プランの好きな方から選ぶことができます。
また、容量に合わせたさまざまなプランがあるため、使いたい容量に合わせて好みのプランを選ぶことができます。
プラン | 費用 | 会員登録 | 1回の転送容量 | データ保管期間 | |
---|---|---|---|---|---|
個人プラン |
未登録会員 |
0円 |
× |
250MB |
7日間 |
無料会員 |
0円 |
○ |
250MB |
7日間 |
|
ライト会員 |
月額943円 |
○ |
2GB |
7日間 |
|
正会員 |
月額1,895円 |
○ |
4GB |
7日間 |
|
法人プラン |
プラン1 |
初期費用:100,000円 |
○ |
10GB |
ー |
プラン2 |
初期費用:100,000円 |
○ |
10GB |
ー |
|
プラン3 |
年間925,800円 |
○ |
10GB |
ー |
|
プラン4 |
初期費用:150,000円 |
○ |
10GB |
ー |
|
プラン5 |
初期費用:50,000円 |
○ |
10GB |
ー |
ギガファイル便

ギガファイル便は、完全無料で利用できるファイル転送サービスです。
1ファイル100GB、容量無制限で利用することができます。
また、ファイルの保存期間は「7日間」「14日間」「21日間」「30日間」から選ぶことができ、データやファイルが残りすぎることを防ぐことで、漏洩リスクを下げることができます。
プラン | 費用 | 会員登録 | 1回の転送容量 | データ保管期間 |
---|---|---|---|---|
ー |
0円 |
× |
100GB |
7日間、14日間、21日間、30日間のいずれか |
おくりん坊

おくりん坊は、完全無料で利用できるファイル転送サービスです。
会員登録をしなくても500MB、会員登録をすると2GBのデータを送信することができます。
また、さらに多くのデータを送信する法人向けのファイル転送サービス「おくりん坊BIZ」も展開しています。
プラン | 費用 | 会員登録 | 1回の転送容量 | データ保管期間 |
---|---|---|---|---|
ログインなしで今すぐ送る |
0円 |
× |
500MB |
ー |
ログインして送る |
0円 |
○ |
2GB |
ー |
おくりん坊BIZ |
初期費用:100,000円 |
○ |
40GB |
ー |
ファイル転送サービスの代わりに、オンラインストレージを導入してみては?
ここで紹介したように、宅ふぁいる便以外にもさまざまなファイル転送サービスがあります。宅ふぁいる便を利用していた方は、ファイル転送だけでなく、ファイルやデータをオンライン上に保存し、かつそれを複数人で共有することができるオンラインサービスに移行してみてもいいかもしれません。
また、オンラインストレージのなかには無料で使えるものもあるので、別のファイル転送サービスを利用しようか迷われている方は一度無料のもので試してみると良いかもしれません。