IoTとは?わかりやすく解説|国内海外の7つの事例も紹介

最近メディアを賑わせている「IoT」という言葉をご存知でしょうか?
IoTについて理解していないという人のなかにも、日々の生活のなかで知らず知らずのうちにIoTを体験しているということもあるでしょう。
この記事では、IoTとは何か、IoTが実際に活用されている事例などを詳しく解説していきます。

IoTとは

IoTとは、Internet of Thingsの略称で、さまざまなモノがインターネットに接続され、相互に情報交換をする仕組みのことをいいます。
かつてインターネットは、コンピューター同士を接続するもので、おもにパソコンやサーバーなどとIT機器に接続されていました。しかし、現在はスマホをはじめ、家電、自動車、容器など日常のさまざまなモノにインターネットが接続されています。
このように、モノにインターネットが接続される仕組みがIoTであり、「モノのインターネット」ともいわれています。

IoTの登場は、私たちの日常を豊かにするだけでなく、これまで得ることができなかったデータを活用し、新たなサービスや価値を生み出すことなどに役立っています。

IoTとAIの違いと関係性

IoTと混乱しがちなものとしてAIが挙げられます。どちらもインターネットに関する事柄であることは間違いありませんが、決定的な違いは一体何なのでしょうか。また、どのような関係性があるのでしょうか。

まず、IoTは先述した通り、モノがインターネットを介して繋がる仕組みです。
それに対してAIは、人間が持っている認識や推論などの能力をコンピューターでも可能にする技術です。
IoTの登場により、さまざまなデータを大量に収集できるようになりましたが、このデータを分析し、活用しなければ意味がありません。
そのため、IoTによって収集されたさまざまなデータを分析するために活用されるのがAIです。

今後、IoTとAIの融合はますます進み、新たな価値やサービスを生み出すことで、私たちの生活をさらに便利にしていくでしょう。

IoTを活用するメリット

ここまでIoTについて紹介ましたが、IoTを用いることによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。
「モノがインターネットに繋がる」という言葉だけではどのようなメリットがあり、どのように活用できるのかイメージがつかないと思います。
ここではIoTを活用することで生まれるメリットを具体的に紹介します。

IoTを活用するメリット①:モノやコトの状態を可視化できる

IoTの仕組みを簡単にいうと、モノにセンサーをつけてデータを取得し、活用できるようにするということです。
このセンサーにより、モノの重さや光、振動、温度などの状態や位置情報など、これまで見ることができなかったさまざまな情報を可視化できるようになります。
そして離れた場所でもスマートフォンなどを使ってモノの状態を確認したり、モノの情報を得たりすることができます。
これにより、利用者は、どこにいても簡単に家電製品や部屋の情報を得ることができるため、これまで以上に便利に活用できます。

IoTを活用するメリット②:日常生活が便利になる

IoTにより、あらゆるモノがインターネットに繋がります。
身近なもので例えると、HuluやNetflixなどの映画・ドラマの専門チャンネルをインターネットにつないだテレビで視聴することもIoTの1つです。
また、留守中でも部屋の様子が確認できたり、遠隔で電化製品を操作したり、IoTにより日常のあらゆるモノが従来よりも便利に活用できるのです。
そのため、一般利用者はIoTを活用することで、日常生活をより便利に、豊かにすることができる点がメリットとして挙げられます。

IoTを活用するメリット③:新しいビジネスのきっかけとなる

ビッグデータ時代といわれる現代において、企業にとってIoTは無視できない存在となっています。これは、IT企業に限定された話ではなく、小売業などの一般企業も同様です。

IoTを活用することで、日常のなかから顧客のニーズや購買プロセスなどのさまざまなデータを取得することができます。
そのデータを活用し、より正確な戦略を立てたり、新たな価値のサービスを生み出したりすることが可能になります。企業にとっては、IoTを使い、新たなイノベーションを起こすチャンスとなるでしょう。

IoTが普及している背景

IoTが誕生したのは最近のことと思われがちですが、30年以上も前から、「ユビキタス・コンピューティング」というかたちでIoTは提唱されていました。
ユビキタス・コンピューティングとは、社会や生活のいたるところにコンピューターが存在していて、いつでもどこでもそれを利用できる状態を表す概念です。

そして近年、スマホをはじめ、あらゆるモノがインターネットと繋がるIoTの実現が本格化してきました。なぜ提唱されてから実現されるまで時間が空いてしまったのでしょうか。
ここでは、近年になって世界中でIoTの開発、普及が加速している要因を紹介します。

IoTが普及している背景①:スマートフォンの普及

IoTが注目されるようになった要因の1つとしてスマートフォンの普及が挙げられます。現在、世界中で多くの人々がスマートフォンを利用しています。
そのため、企業側はスマートフォンを介したさまざまなIoTの仕組みを、提供できるようになりました。

また、スマートフォンの本体には、加速度センサー、指紋認証センサーなどといったさまざまなセンサー類やICタグが組み込まれています。
現在では当たり前に利用されているこのセンサーですが、IoTの概念が提唱された当時は高価なものでした。そのため、私たちの生活に普及させることが難しかったのです。
このように、時代が進み、スマートフォンが普及したこと、そしてセンサーを手軽に利用できるようになったことがIoTを実現させた要因の1つといえます。

IoTが普及している背景②:機器のサイズダウン技術の発達

技術が発達したことにより、IoTに搭載されているセンサーや通信チップは縮小・軽量化が進んでいます。例えば、データを収集するための通信機器やセンサーは、小さくても十分な機能を持ち、安いコストで開発できるようになりました。
そのため、このような小型化・軽量化の技術により、センサーなどの機器をさまざまなモノに搭載できるようになったのです。このように、時代が進み、技術の発展とともにIoTは普及し、拡大していくでしょう。

IoTの活用事例

IoTの活用方法はさまざまで、企業、サービスによってさまざまな価値を創出することができます。例えば、メディアでも大きく取り上げられた自動運転車、身近な家電などあらゆる分野で活用されています。
ここでは、国内外を問わずIoTがどのように導入されているのかおもしろい事例を紹介していきます。

IoTの活用事例①:パナソニック社のHOMEX

HOMEXIoT
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HOMEXとは、パナソニック社が開発した住宅向けIoTプラットフォームです。
暮らしの状態や問題を瞬時に理解し、一人ひとりに合わせて自動的に快適な住空間の提供をおこなうシステムです。
HOMEX DisplayというIoT搭載の専用ディスプレイによって、エアコンや証明、シャッターなどを遠隔で操作することができます。
また、部屋にいる家族の健康状態や行動履歴などから、それぞれに合った音や照明で快適な空間を演出してくれます。

IoTの活用事例②:SkyBell HD社のSkyBell

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SkyBellは、不在時でも手持ちのスマートフォンから玄関先の来客確認や、インターフォンを通じて応対できるスマートドアベルです。モーションセンサーを搭載しているため、訪問者がボタンを押さない場合でも、自宅の敷地内への侵入者を瞬時に感知することができます。
そのため、単なるドアベルとしてだけでなく、防犯面でも役立ちます。

IoTの活用事例③:Slow Control社のHAPIfork

HAPIforkIoT
HPより

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HAPIforkは、食事のペースを監視してくれる電子フォークです。
HAPIforkを口に運ぶスピードが早すぎるとバイブレーションとLEDライトでユーザーに警告してくれるため、早食いを防止することができます。
この警告の頻度は、アプリを通してユーザーが任意で設定することができるので、ストレスなく食事のペースの改善に繋ぐことができます。

また、HAPIforkの機能として、食事のデータをデバイスに送信できるため、日々の食事の情報をチェックすることができます。早食いは消化不良や体重増加など身体に悪影響をもたらします。
ついつい早食いしてしまうという人は、HAPIforkを使って食生活を見直してみてはいかがですか?

IoTの活用事例④:JINS社のJINS MEME

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メガネは、本来なら視力を補正して目の前のものを見えるようにするものですよね。しかし、JINS MEMEは、本来の「見る」ではなく「知る」ことをコンセプトとしたメガネです。
メガネに搭載したセンサーからまばたきの回数や黒目の動き、身体の傾きなどを検知し、装着者の疲労度や体の動き、集中状態などを把握することができます。これにより、作業やトレーニングなどのパフォーマンス向上、居眠り運転の防止、過労の防止などさまざまな場面で役立っています。

また、センシング技術を用いて、これらのデータをリアルタイムで収集・解析することで、その人の心と体について知ることができます。
このように、物を見るだけでなく、自分自身を見ることができるメガネとして注目を集めています。

IoTの活用事例⑤:JINSOrigami Labs社のORII

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ORIIは、骨伝導の技術を用いた指輪型のスマートボイスリングです。
ORIIを指に装着し、アプリと連動することでスマホがなくても、電話をかけたり、メールを送ったり、さらに音声アシストを利用することができます。
また、耳元から骨を伝わって音を伝達させるため、騒音のある場所でも音声が聞き取りやすく、相手とのやり取りがスムーズにおこなえるのが特徴です。

IoTの活用事例⑥:Smarter社のSmarter Coffee

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「眠い朝に自動でコーヒーを入れてくれる機械があったらなあ・・・」少し前なら夢のような話でしたが、これがついに現実化しました。
イギリスに本社を置くSmarter社が開発したSmrter Coffeeは、スマートフォンから好みの味、の希望の温かさを入力すると、その通りにコーヒーを入れてくれます
スマホ1台でコーヒーを作ることができるため、目覚めの悪い朝であっても、ベッドで入力すれば起き上がるタイミングでできたてのコーヒーを飲むことができるのです。

さらに、この機械の特徴として、Google AssistantやAmazon Alexaといったスマートスピーカーと連動することができる点があります。
そのため、スマートスピーカーと連動することで「コーヒー入れて」の一言でいつでも手軽においしいコーヒーを飲むことができます。

IoTの活用事例⑦:Waymo社の自動運転車

waymoIoT
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Google社の親会社であるアルファベット社傘下の自動運転開発のWaymo社が、自動運転車を使った配車サービスを実現させました。専用アプリから乗車場所と目的地を指定すれば、事前に運賃と所要時間が表示され、同意すると配車される仕組みになっています。
ただし、現段階ではこのサービスを利用できるのは、Waymo社が事前に募集した早期利用プログラムに登録した一部の人、特定のエリアのみとなっています。
運転は全て自動運転でおこなわれているものの、万が一に備えて運転席にはWaymo社のドライバーが搭乗しています。
そのため、一般利用はまだ実現されていませんが、今後、このような自動運転車が当たり前の時代もやってくるかもしれません。

IoTが抱える課題

いくつか事例を紹介したように、IoTの技術の進歩により、私たちの生活が便利に、そして豊かになっていきます。
しかしその一方で、インターネットを介したサービスであるため、セキュリティなどの問題もあげられています。
また、利用者側の問題だけでなく、提供する側にもいくつか問題はあります。
ここでは、それぞれが今後IoTと関わっていくうえで、知っておきたいポイントを紹介していきます。

IoTが抱える課題①:セキュリティー面の問題

IoTの普及は近年急速に進んでおり、今後も拡大し続けると考えられています。
そのため、IoTデバイスの拡大が増加していくと同時にセキュリティーの重要性が高まります。なぜ、IoTはセキュリティーに問題があるといわれているのでしょうか。

現在、IoTは「モノのインターネット」として生活やビジネスなどで活用され、私たちの日常のなかに溶け込んでいます。
そのため、インターネットを利用しているという意識を持たずにIoTデバイスを使うことが増えていくでしょう。IoTは、通常のインターネット利用の場合と同じ危険もあるという認識は薄く、セキュリティー対策も十分であるとはいえません。

つまり、自分が知らないうちに不正ログインやウイルス感染などの被害を被ったり、サイバー犯罪に加担してしまったということも考えられるのです。
そのため、IoTのセキュリティに関してパソコンなどと同じようなリスクがあるということを一人ひとりが意識をもってIoTを活用していく必要があります。

IoTが抱える課題②:高度な技術を持つ人材の確保

紹介したようにIoTが搭載されてい製品は数多くあります。
IoTにより企業は膨大なデータを取得できるようになります。しかし、それらのデータを分析し活用しなければ意味がありません。
そのため、それらのデータを分析するデータサイエンティスト、AIやシステムを構築するエンジニアなどの優秀な人材の確保をする必要があります。
とくにエンジニアの人材確保は現在でも企業の課題となっています。今後IoTがさらに発展するとその課題はさらに深刻化していくかもしれません。

IoTが抱える課題③:法整備が追いついていない

IoTが普及することで多くのデータを収集できるようになります。
しかしその一方で、IoTによって収集したデータは誰のものなのかという問題も生じます。
例えば、あるメーカーがIoTが搭載された製品をユーザーである工場に納入することで、部品の交換や新商品の提案など定期的なサービスを提供することができます。
しかし、工場側は自社の生産管理や人員配置の見直しのために、そのデータを活用することはできないのでしょうか。また、メーカー側はその工場のデータを別の場で活用したい場合、許可なく利用できるのでしょうか。
このようにIoTによって得たデータでは誰のものなのかという議論がおこっているのです。また、IoTデバイスの誤作動により第三者に被害が及んだ場合の責任の所在はどこかという問題も挙げられます。

このように、現段階の法律では、IoTによって収集されたデータの所有権や責任の所在などのルールが厳密に定められていません。そのため、今後さらなるIoTの発展が見込まれることから、早急な法整備や改定なども課題として挙げられます。

IoTの今後と課題

IoTの開発が進み、さらに普及することで収集できるデータ量が大幅に増加します。
また、扱われるデータ量が増えることで、人工知能や機械学習の精度が上がることが予想されます。
生活の利便性やビジネスへの活用が期待されるIoTですが、人材の確保や、セキュリティー面の強化など課題もあり、まだ発展途上ともいえます。今後その課題が解消され、IoTを活用し、現在の技術の発展や新たな価値が多く生まれていくか否かという点に注目を集めています。

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