従業員満足度調査に必要な9つのアンケート項目とその例文集

現在、多くの企業にとって人材の確保・定着は重要な課題となっており、従業員満足度の向上は重要視されています。
従業員満足度を向上させるためには、まずは従業員が自社に対してどれほど満足をしているのかの現状を把握しなければなりません。方法としてはアンケート調査をおこなうことが一般的です。
今回は、従業員満足度調査でアンケートをおこなう際に意識したいポイント、アンケートに必要な項目、例文を紹介します。

更新日:2019.11.27

従業員満足度とは?

従業員満足度とは、ES(Employee Satisfaction)ともいわれ、従業員の自社や仕事に対する満足度を示す指標です
従業員満足度は、仕事内容や人間関係、職場環境などさまざまな要因によって左右されます。

最近では、従業員満足度の向上は、顧客満足度の向上、そして最終的には企業の成長に繋がるといわれています。そのため、企業はまずは従業員満足度を向上に目を向けることが大切なのです。

関連記事:従業員満足度(ES)とは?顧客満足度との関係性とES調査アンケートで取るべき指標

従業員満足度調査のアンケートの流れ

従業員満足度調査でアンケートをおこなう場合、いくつか手順があります。
その手順に沿ってアンケート調査を進めていくことで、より効果のある従業員満足度調査をおこなうことができるでしょう。
ここでは、従業員満足度調査でアンケートをおこなう際の流れを紹介します。

ESアンケート手順
トルテオ編集部

従業員満足度調査のアンケートの流れ①:アンケート作成の前に

従業員満足度調査のアンケートを作成する際、まずは目的を明確にする必要があります。
もし自社の課題や調査をする目的がなければ、従業員満足度調査をおこなっても意味がありません。そのため、従業員満足度調査をおこなう目的を事前にはっきりさせておきましょう。

そして、従業員満足度調査をおこなう意義、必要性が明確になったら、実施についての趣旨を各部門長や経営層に事前に報告し合意を得ます。

従業員満足度調査のアンケートの流れ②:アンケートの作成

従業員満足度調査としてアンケートをおこなうことが決定したら、アンケートを企画・作成します。
まず、具体的な実施日時や対象従業員、予算などを考えます。そして記述式や選択式など、どのような形式のアンケートにするかなど、アンケートの全体像を企画します。

その後、アンケートの作成をおこないます。
アンケートの作成は、自社の課題や目的などに沿った設問内容、設問数を考慮して作成します。また、アンケートの実施をおこない、最終的には分析、改善をする必要があるということを念頭においてアンケートを作成しましょう。

従業員満足度調査のアンケートの流れ③:アンケート調査の実施・分析

そして従業員に対してアンケートを実施し、回収した回答から分析をおこないます。分析の方法は、以下の方法があります。

集計方法 狙い

単純集計

項目ごとの平均を出す

クロス分析

年代別、性別、職種別などの条件に分けて傾向を把握する

構造分析

項目間の相関係数を導いて分析する

比較分析

他社の評価や自社の過去の水準と比較

ポートフォリオ分析

満足度と重要度の2軸から分析をする

このなかから自社に合った分析をおこない、従業員満足度を下げている原因はなにか、何を改善するべきなのかを把握し、改善活動をおこなうことが大切です。

従業員満足度調査のアンケート作成ポイント

従業員満足度調査のアンケートをおこなう際にはいくつかポイントがあります。
以下で紹介するアンケート作成の際のポイントを意識することで、より効果的なアンケート調査にすることができるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

従業員満足度調査のアンケート作成ポイント①:目的を整理する

従業員満足度調査をおこなうことは多少なりとも手間や時間、費用がかかります。
そのため、これらを無駄にしないために、まずは自社の課題や従業員満足度調査をおこなう目的を明確化しなければなりません。
例えば、離職率が多い原因を知りたい、会社の方針や制度を見直したい、社員の意欲を確かめたいなど、何かしらの自社の課題や調査の目的を明確にします。
このように課題や目的を明確化することでそれらに沿ったアンケートを作成し、より効果的な従業員満足度調査することに役立ちます。

従業員満足度調査のアンケート作成ポイント②:質問数は多すぎず少なすぎず

従業員満足度調査のアンケートの設問数は多すぎず、少なすぎないことが大切です。
抜け漏れがないようにと、設問数は多くなりがちです。しかし設問数が多すぎるアンケートは、回答する者の集中力を切らしたり、回答の意欲を下げることで雑な回答が増えたりします。

一方で、質問数が少なすぎる場合は、分析の際、項目間の相関関係がわからなかったり、分析しづらかったりするデメリットもあります。そのため、重複をしない程度にシンプルで回答しやすい設問数を意識しましょう。

従業員満足度調査のアンケート作成ポイント③:気難しい表現をしない

従業員満足度調査は社内でおこなうものです。
気難しい内容の設問や、堅苦しい表現では従業員に負担をかけたり、回答に制限をかえたりする恐れもあります。そのため、従業員が回答しやすい柔らかい表現や内容にする必要があります。

従業員満足度調査のアンケート作成ポイント④:経営層に合わせすぎない

アンケートの結果によっては自社の方針を変更したり、制度の改善をおこなったりする必要があります。
既存の方針や制度などを変更することは経営層にとっては重荷となるため、「ネガティブな回答を減らしたい」「こういう回答が欲しい」という考えも脳裏にはよぎるでしょう。
しかし、経営層の求める回答を得るために誘導する内容や、経営層に合わせすぎた内容にしては本当の課題を発見することはできません。潜在的な課題を見つけ、課題と向き合うことが大切です。

従業員満足度調査のアンケート作成ポイント⑤:回答者が特定されないようにする

従業員満足度調査では、回答者が特定されないよう配慮をする必要があります。個人名での回答は従業員の本音を聞き出すことが難しいです。
とくに、自社に対して満足感を感じていなかったり、不満や意見を持っていたりする従業員は個人名を出しての回答ではしづらいでしょう。
企業としては耳をふさぎたいところですが、従業員の本音にしっかり耳を傾ける姿勢が大切です。

従業員満足度調査のアンケート項目

従業員満足度調査でより有効的な結果を得るためには、アンケート項目が重要です。
従業員満足度を左右する要因として、アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグ氏が提唱した「動機づけ・衛生理論(二要因理論)」が1つ挙げられます。
この理論は、満足度を強化する動機付け要因と、不満足度に関わる衛生要因は別物であるという考え方です。従業員満足度のアンケートの項目もこの理論に基づいて考えてみると良いでしょう。

従業員満足度調査のアンケート項目①:基本情報の項目

まず基本項目として、性別、職種、役職などの属性を問う必要があります。
これは、最終的にアンケートの結果から属性ごとに分析するのに必要な項目となるため、アンケートに含めるようにしましょう。

  • 性別
  • 役職
  • 年齢(年代)
  • 所属部署
  • 勤続年数

従業員満足度調査のアンケート項目②:満足度強化に関する項目(動機付け要因)

満足度を強化する動機付け要因は、やりがいや成長実感、やる気など、主観的なものが挙げられます。
満足度強化に関する項目(動機付け要因)は、完全に満たされないとしても仕事に対して不満足にはなりづらく、満たされた場合はそれだけ満足度を上げる要因とされています。
ここでは動機付け要因に関する項目を紹介します。

仕事に関する項目

この項目は、仕事内容や仕事を通して得られる成長実感など、従業員の働くうえでのモチベーションに繋がり、従業員満足度の向上に影響する項目です。

  • 個人の目標、仕事の難易度の納得感
  • 仕事のおもしろさ
  • やりがい
  • 成長スピード、成長実感
  • キャリア展望
  • 組織への存在意義
  • チャレンジできる環境があるか
  • 裁量権

上司に関する項目

上司に関する項目も必要です。
常に身近にいて見本となったり指導したりする立場の上司は、従業員にとっては大きな存在です。
そのため、上司の態度や方針、考え方などは従業員のモチベーション、満足度を左右する要因になります

  • 上司の方針
  • 指導・教育・育成方法
  • コミュニケーション
  • 評価姿勢
  • 尊敬度
  • 関係性

組織風土に関する項目

仕事はほとんどの場合1人でおこなうことはできず、必ず複数人でおこないます。そのため、所属する組織の雰囲気や風土の良し悪しは、従業員満足度に大きく影響します。

  • コミュニケーション
  • 助け合いや思いやりの風土
  • 組織間連携
  • チームワーク
  • 相互尊重・切磋琢磨

従業員満足度調査のアンケート項目③:不満足度誘発に関する項目(衛生要因)

不満足度を誘発する要因は、給料や福利厚生、社員制度など外的なものが挙げられます。
この衛生要因は不満足度におもに関係し、満たされない場合は不満足になり、満たされたとしても満足度向上には繋がらない要因です。
ここでは、衛生要因に関する項目を紹介します。

会社に関する項目

会社に関する項目は会社のビジョン・方針、将来性、会社の考え方などの項目です。
会社の考えや方針が自身の考えと異なっていては日々仕事をしていてもモチベーションは高まらず、不満が溜まる一方です
そのため、会社に関する項目は不満足を引き起こす要因となります。

  • 経営理念
  • ビジョン
  • 将来性
  • 企業風土

人事制度・処遇に関する項目

評価や給料などは当人の努力や成果のわかりやすい指標となります。
そのため、評価や給料が本人に見合うよう適切に判断されているかは従業員のモチベーションに大きく関わります
また、福利厚生や教育制度など、どれほど満たしても満足度を向上することは難しいですが、満たされない場合は不満足に繋がります。

  • 評価
  • 処遇
  • 異動・キャリア開発
  • 教育・研修制度
  • 給料
  • 福利厚生

コンプライアンスに関する項目

セクハラやパワハラ、そしてコンプライアンス違反などがある企業は、従業員が不満足を感じるということは想像できます。
しかし、それらの問題に対しての会社の対応や改善意向の有無も従業員満足度に関わります。会社がハラスメントや違反などに対し真摯に向き合い、対応する姿勢がない場合、従業員は会社への不信感を抱き、不満足の要因となりえます。

  • 法令・ルール遵守状況
  • 組織のモラル
  • コンプライアンス強化への取り組み

業務負荷に関する項目

過度な労働量や労働時間は、身体的にも精神的にもストレスを与えます。そのため、本人が業務量や労働時間に不満を抱いている場合、従業員不満足に繋がります。

  • 業務量
  • 労働時間
  • ワークライフバランス
  • 業務へのストレス

総合的な項目

従業員満足度調査のアンケートで必要な項目をいくつか紹介しましたが、最終的に従業員は自社に対してどれほど満足しているのか、という総合的な満足度を問う項目も必要です。
最後に総合的な度合によって会社全体の従業員満足度の得点を知ることができます。

  • 全体の満足度
  • 今後の定着意向
  • 企業への愛着

従業員満足度調査のアンケート例文

従業員満足度調査をするといってもどのような言葉を使い、どのような質問をすれば良いのかわからない場合もあると思います。
ここでは、上記で紹介した項目ごとの例文をいくつか紹介します。自社で従業員満足度調査でアンケートをおこなう際にぜひ参考にしてください。

従業員満足度調査のアンケート例文①:基本情報に関する項目

①性別
a.男性 b.女性

②年齢
a.~19歳 b.20~24歳 c.25~29歳 d.30~34歳 e.35~40歳 d.40~44歳 e.45~49歳 f.50~54歳 g.55~59歳 h.60歳以上

③勤続年数
a.1年目 b.2~3年目 c.4~5年目 d.6~9年目 e.10~14年目 f.15~19年目 g.20年目以上

④所属部署
a.販売・営業 b.製造・生産 c.調達・購買 d.生産管理・品質管理 e.技術・研究 f.総務 g.人事・労務 h.経理・財務 i.企画・広報・マーケティング j.情報システム k.その他

⑤役職
a.役員クラス b.部長クラス c.課長クラス d.係長・主任クラス e.一般社員 f.契約社員・派遣社員 g.その他

従業員満足度調査のアンケート例文②:仕事に関する項目

最も近いと思われる数字に〇をつけてください。
1.思う 2.やや思う 3.どちらでもない 4.あまり思わない 5.全く思わない

①現在の仕事はやりがいがある(1・2・3・4・5)

②仕事内容が自分に合っている(1・2・3・4・5)

③スキル、能力が身につく仕事である(1・2・3・4・5)

④現在の仕事に意義や価値を感じられる(1・2・3・4・5)

⑤達成したい明確な目標がある(1・2・3・4・5)

⑥仕事を通じて自分の考えや発想を表現している(1・2・3・4・5)

⑦自分の業務が社会や顧客のためになっていると感じる(1・2・3・4・5)

従業員満足度調査のアンケート例文③:上司に関する項目

最も近いと思われる数字に〇をつけてください。
1.思う 2.やや思う 3.どちらでもない 4.あまり思わない 5.全く思わない

①自分と上司の相性が良い(1・2・3・4・5)

②上司はあなたに対して方針を提示し、業務の指示・指導を適切に行っていると思う(1・2・3・4・5)

③上司と業務上に必要な連携がとれていると思う(1・2・3・4・5)

④上司はあなたに対して、成長につながる指摘やフィードバックをしてくれている(1・2・3・4・5)

⑤上司は、期初に設定した目標に照らして公平な評価をしてくれている(1・2・3・4・5)

従業員満足度調査のアンケート例文④:組織風土に関する項目

最も近いと思われる数字に〇をつけてください。
1.思う 2.やや思う 3.どちらでもない 4.あまり思わない 5.全く思わない

①業務を進めるうえで問題が発生した際、上司や周囲の人は適切なサポートをしてくれている(1・2・3・4・5)

②社内の人間関係は良好である(1・2・3・4・5)

③挨拶・声掛け・認める・ほめるといった組織風土がある(1・2・3・4・5)

④従業員が自由にアイデアや意見を言える組織風土がある(1・2・3・4・5)

⑤質の高い仕事への意識や向上心を持つ従業員を育てる組織風土がある(1・2・3・4・5)

⑥自主性を尊重し、仕事を任せ、それを支援する組織風土がある(1・2・3・4・5)

⑦安心して相談しあえる風土がある(1・2・3・4・5)

従業員満足度調査のアンケート例文⑤:会社に関する項目

最も近いと思われる数字に〇をつけてください。
1.思う 2.やや思う 3.どちらでもない 4.あまり思わない 5.全く思わない

①経営者は社員を信頼しており、その可能性に期待する姿勢がある(1・2・3・4・5)

②会社の理念・ビジョン・経営方針に共感でき、その達成に参加したいと思える(1・2・3・4・5)

③経営方針や経営計画・新商品情報など経営情報はタイムリーに知らされている(1・2・3・4・5)

④当社の業績(成長性、収益性、安定性)には満足している(1・2・3・4・5)

従業員満足度調査のアンケート例文⑥:人事制度・処遇に関する項目

最も近いと思われる数字に〇をつけてください。
1.思う 2.やや思う 3.どちらでもない 4.あまり思わない 5.全く思わない

①当社の給与水準は同業他社と比較して、納得できる水準である(1・2・3・4・5)

②当社の評価制度に納得感がある(1・2・3・4・5)

③有給休暇の取得推進や福利厚生の整備など、労働環境の整備や改善ができていると思う(1・2・3・4・5)

④仕事の成果や能力に応じて評価し、何らかの処遇改善に繋げていると思う(1・2・3・4・5)

⑤新人に関する教育を体系的におこなっていると思う(1・2・3・4・5)

⑥管理職層やリーダー層を育成するための教育に力を入れていると思う(1・2・3・4・5)

⑦将来のキャリアについての支援やアドバイスをおこなっていると思う(1・2・3・4・5)

⑧外部の講習会や資格取得のために支援をおこない、従業員のスキルアップの支援をしていると思う(1・2・3・4・5)

⑨異動やキャリアの相談をすることができている(1・2・3・4・5)

⑩育児や介護をする必要が発生した時にサポートをする制度を活用できる(1・2・3・4・5)

 

従業員満足度調査のアンケート例文⑦:コンプライアンスに関する項目

最も近いと思われる数字に〇をつけてください。
1.思う 2.やや思う 3.どちらでもない 4.あまり思わない 5.全く思わない

①法令を遵守したプロセスで業務が遂行されていると思う(1・2・3・4・5)

②当社は法令を遵守するための管理や教育を徹底していると思う(1・2・3・4・5)

③機密情報が適切に管理されていると思う(1・2・3・4・5)

従業員満足度調査のアンケート例文⑧:業務負荷に関する項目

最も近いと思われる数字に〇をつけてください。
1.思う 2.やや思う 3.どちらでもない 4.あまり思わない 5.全く思わない

①当社は、勤務時間や仕事の内容で過度な負担を強いないようにしていると思う(1・2・3・4・5)

②残業は自分の無理のない範囲に収まっている(1・2・3・4・5)

③現在の業務量は適切だと感じている(1・2・3・4・5)

従業員満足度調査のアンケート例文⑨:総合的な項目

最も近いと思われる数字に〇をつけてください。
1.思う 2.やや思う 3.どちらでもない 4.あまり思わない 5.全く思わない

①現在の職場をどの程度、親しい友人や家族に薦めたいと思いますか(1・2・3・4・5)

②今の会社で働いていることに満足している(1・2・3・4・5)

③今の会社で働いていることを、誇りをもって家族や友人に話をしている(1・2・3・4・5)

④今後も、今の会社で働き続けたいと思う(1・2・3・4・5)

⑤現在、総合的にどの程度満足していますか
1.大変満足している 2.満足している 3.どちらともいえない 4.不満足 5.かなり不満がある

⑥⑤でそのように回答した理由をお書きください

従業員満足度向上の一歩としてアンケート調査をしよう

今回は従業員満足度調査で一般的な方法であるアンケートの項目や例文を紹介しました。
最近では顧客満足度の向上以前に、従業員満足度の重要度は高まっています。そのため、従業員満足度向上のための一歩として、アンケート調査をおこない現在状況や自社の課題を把握しましょう。
今回紹介したアンケート項目や例文を組み合わせたり、独自の設問を追加したりして、従業員満足度の向上に役立ててください。

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