3C分析とは?やり方や目的を事例にそって解説してみた

今回はビジネスパーソンなら誰でも一度は聞いたことのある3C分析について紹介します。
3C分析の基本的な概念や3C分析をおこなう目的、そして最後は具体的な事例を用いて3C分析の活用の仕方を紹介します。
ぜひ3C分析を自分の業務で活用してみましょう。

3C分析とは

3c分析とは
©tiquitaca – shutterstock

ここでは、はじめての方にもわかりやすいように、3C分析とは何のことなのかを紹介します。

3C分析とは?

そもそも3C分析とは、企業、もしくは事業部が市場における戦略を策定するうえで用いられるフレームワークです。
主にその企業が現状どのような状況(経営状態や市場環境)にあるのかを分析し、経営課題を把握するために用いられます。
3Cとは、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」のそれぞれの頭文字をとったものです。

3C分析の順番

3C分析は「Customer(市場・顧客)」→「Competitor(競合)」→「Company(自社)」の順で分析していく場合がほとんどです。
この際、企業の立場にたった時にコントロールできない、もしくはコントロールしにくい外部環境(=市場・顧客、競合)から分析することが重要です。
なぜなら、はじめにコントロールしやすい内部環境(=自社)から分析をおこなったとしても、それが市場や顧客のニーズに一致しなかったり、競合との比較対象ポイントとずれてしまったりすることがあるからです。

そのため、3C分析はまず広い範囲の「Customer(市場・顧客)」から分析をはじめて、市場・顧客のニーズがどのように変化していて、現状どうなっているのかなどを把握する必要があります。
そして、それに対して競合がどのような戦略や対策を打っているのか、そしてその市場環境や競合の状況に対して、自社は現状どうなのかという順番で分析をおこなうことが重要です。

3C分析の目的

ここでは3C分析をおこなう目的や場面を紹介します。

どのような場面で3C分析をおこなうのか

冒頭でも少し触れましたが、3C分析は市場において自社の状況を明らかにし、事業部などのマーケティング戦略を策定する際によく用いられるものです。
したがって、市場・顧客、競合、自社を分析、比較することで経営課題を発見し、企業や事業の方向性を見定める際に3C分析を活用することができるでしょう。

なぜ3C分析をおこなうのか

市場は常に変化しているため、企業はそれに合わせて戦略を変えたり、新しい施策を打ち出したりすることで、対応し続ける必要があります。
そういったなかで企業は自社の経営をより良い方向に導くためのKSF(Key Success Factorの略、成功要因のこと)を見出し、独自の戦略を持つ必要があります。
そして、そのためには3C分析を通じて外部環境(市場・顧客や競合)と内部環境(自社)を分析することで、自分たちが置かれている状況を熟知する必要があります。

3C分析をおこなうことでどのようなメリットがあるのか

3C分析をおこなうことで自社の強みや弱みを知り、自社の状況を客観的に分析することができます
合わせて、顧客のニーズをより満たせるものは何なのか、逆にどのような点でマーケットのニーズを満たせていないのかを把握することができます。

さらに、競合他社の状況も分析するため、どの点で競合に負けているのかを知ることができ、何が必要なのかが明確になります。
したがってより精度の高いマーケティング戦略を立案・実行することができる可能性が上がるでしょう。

3C分析のやり方①:Customer(市場・顧客)の分析

customer
トルテオ編集部

ここでは、実際にどのように3C分析を進めていくのかについて紹介します。「Customer(市場・顧客)」→「Competitor(競合)」→「Company(自社)」の順で3C分析のやり方を紹介します。
まずは市場や顧客の動向を把握し、自社をどのような切り口で分析するべきかを明確にするために、Customer(市場・顧客)の分析をします。
具体的には、市場規模や成長性、顧客のニーズ、顧客属性などを分析します。
このCustomer分析では、マクロ分析とミクロ分析に分けておこないます。

マクロ分析

マクロ分析とは、巨視的分析のことです。ここでは、世の中のさまざまな要素を広い範囲で分析します。
このマクロ分析において、さまざまな視点から自社にとってどのような機会や脅威があるのかを分析する際にPEST分析がよく用いられます。
PESTとは、「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の頭文字を取ったものです。

PEST分析では政府の政策、経済全体の景気、社会の状況(少子高齢化など)、最新のテクノロジーといったさまざまな外部要因が、自社にどのような影響を与える可能性があるのかを分析します。
このPEST分析を活用しながら、今後の世の中の動向を予測し、自社の方向性をその動向に合わせていくことが重要になります。

ミクロ分析

一方、ミクロ分析は微視的分析のことです。ミクロ分析は、マクロ分析とは逆に分析対象の範囲をより狭めて、自社が属する業界だけを分析したり、その業界に影響を与えうる外部環境だけを分析したりします。
その際によく用いられる分析手法が5フォース分析やバリューチェーン分析です。

5フォース分析とは、業界や企業の収益構造を決める5つの要因を分析することで、自社にとって脅威となる要因を明らかにする分析手法のことです。5つの分析要因は、「競争業者の脅威」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」のことです。
5フォース分析によって、自社の強み・弱みを確認したり、競合他社に比べて競争優位を構築したりすることが可能になります。

続いて、バリューチェーン分析とは、最終的に消費者に商品もしくはサービスを利用してもらい、利益が確保できるまでの一連の企業活動を細かく一つひとつの活動に切り分けて分析することです。例えば、UNIQLOやGUで有名なファーストリテイリング社の場合は、SPA(製造小売業、※1)という業態をとっており、自社で原料調達から製造・販売までおこないますが、バリューチェーン分析では、これら原料調達から販売までの一連の流れを分析します。
企業内のさまざまな活動を一つひとつ分析することで、「自社の付加価値はどこにあるのか」「コスト削減が可能な活動は何なのか」を明確にすることができます。

※1:SPA
製造小売業のこと。自社で商品の企画・製造から販売まで一貫しておこなうことで、サプライチェーンにおけるムダやロスを極小化しようとするビジネスモデル。

3C分析のやり方②:Competitor(競合)の分析

competitor
トルテオ編集部

続いて、競合分析について紹介します。そもそも企業が存在し続けるためには、売上や利益を上げ続ける必要があります。
その売上や利益を上げていくためには、競合といかに差別化し、市場におけるシェアを伸ばしていけるかという点に注目して、戦略を立案する必要があります。

そしてそのためには、競合他社の状況を把握し、彼らがどのような戦略やリソースを用いて、結果を出してきたのかを分析する必要があります。
したがって、この競合分析では、競合他社のビジネス活動の結果と、その要因という2つの切り口から分析します。

競合のビジネス活動の結果

まず、競合各社の現状の市場シェアやその推移、利益率、顧客数や顧客1人当たりの売上高などさまざまな数値を可能な範囲で洗い出します。
そして、その数値に基づいて、それぞれの競合各社の特徴や傾向を分析します。

結果の理由、要因

競合のビジネス活動の結果を洗い出したあとは、その競合企業がなぜその結果を出すことができたのか、その要因を分析します。
例えば、どのような施策を打ち出したり、戦略を展開したりしていたのか、そしてそれに対してどの程度のコストやリソースを割いたのか、またそのリターンはどれくらいだったのかなどを分析します。
この競合分析と、上で説明した市場・顧客分析を合わせて、大まかな戦略を策定していくことになります。

では、なぜ企業はこのように「競合のビジネス活動の結果やその要因」までを分析する必要があるのでしょうか。
それは、費用対効果を極大化させるためです。企業がこれらの分析を踏まえて戦略を策定し、実行へと進めていく際には、場合によっては非常に大きなコストがかかり、大きな損失につながる可能性もあります。

そのため、このような分析を重ねることによって、ある程度結果を予測し、投資した分に相当する、もしくはそれ以上のリターンが見込めるかどうかを見極める必要があります。
つまり、リスクを最小限に抑えるとともに効果を最大化させるためにこれらの分析をおこないます。

3C分析のやり方③:Company(自社)の分析

company
トルテオ編集部

最後に自社の分析について紹介します。そもそも、なぜ自社分析をおこなう必要があるのでしょうか。
それは、競合他社との差を埋めるために自社の状況を理解しておく必要があるからです。
ここまで、市場・顧客の分析や競合の分析を通じて、外部環境の状況については確認してきました。
しかし、市場・顧客の動向や競合の動向と自社と比較してどのような差があるのかを把握するためには、自社の現状を再認識しておく必要があります。

この自社の分析については、ここまでのCustomer、Competitorの分析を踏まえて、自社がそのような外部環境に対して、どのように対応しているのかを分析・把握します。
例えば、市場シェアは伸びているか、どのようなアセット(経営資源)を保有しているか、技術力や営業力は競合と比較して優れているか、商品やサービスの品質は市場・顧客のニーズに合っているかなどさまざまな面から自社の分析をおこないます。

そうした分析を踏まえて、自社の強みや弱み、業界内で競争優位性を保つためのKSF(成功要因)を導き出し、経営戦略や事業戦略を策定します。
この際によく用いられるフレームワークとしてSWOT分析があります。3C分析とSWOT分析を組み合わせる際のポイントは以下の段落で説明しているので、そちらをご覧ください。

3C分析の事例

A社について
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さて、ここからは実際に3C分析を活用してみた事例を紹介します。
架空のアパレルブランドA社を事例に3C分析をおこなった場合の活用事例です。

A社について

A社は日本国内では、売上高や店舗数などにおいて最大規模のアパレル企業で、幅広い年齢層の方に支持されています。
また、A社は欧米のファストファッション業界では主流であった、SPAという業態を国内でいち早く取り入れて、サプライチェーンマネージメントの最適化をおこなってきており、商品価格は低価格でありながら、高品質を実現しています。
取扱商品は、トップスやインナーウェアからボトムスなどのほかに、最近ではバッグやシューズなどのファッション小物などの取り扱いも増えています。

Customer(市場・顧客)分析

ここでは、マクロ分析(主にPEST分析)とミクロ分析(主に5フォース分析)を用いて、市場・顧客を分析します。

マクロ分析

ここでは、PEST分析を活用してマクロ分析をおこないます。

  • 政治:最低賃金の引き上げにより人件費の高騰、消費税増税による買い控えが懸念される。
  • 経済:為替レートの変動により原材料が高騰している。
  • テクノロジー:テクノロジーの発展により、商品の販売がオフライン(店舗)からオンライン(ネットショップ)に移行している。
  • 社会:少子高齢化に伴って、衣類の購買頻度の高い若年層の顧客が減少することが予測される。

ミクロ分析

ここでは、5フォース分析を活用してミクロ分析をおこないます。

  • 競争業者の脅威:大手SPA企業2社
  • 売り手の交渉力:SPA形態をとっているため、それほど考慮する必要はないが、人件費の高騰により利益が圧迫されている点には留意する必要がある。
  • 買い手の交渉力:大手SPA企業やほかのブランド、フリーマーケット型サービスなどさまざまなところから衣類の購買を画策しており、交渉力は強まっている。
  • 新規参入の脅威:大手ECサイトの衣類進出が予想される。
  • 代替品の脅威:衣服を売買できるC2Cのフリーマーケット型サービスや、衣服を購入せずにレンタルして一定量を使うことができるサブスクリプションサービスなど代替サービスが多数乱立している。

Competitor(競合)分析

ここでは、大手SPA企業2社の分析をします。

大手SPA企業①の競合分析

  • 業績:2010年に日本市場に参入して以来、業績は右肩上がり
  • 要因:デザイン性の高いトレンドアイテムを幅広いラインナップで顧客に提供しており、ハイブランドに引けを取らないブランド力を確立できている。3社の中ではもっとも商品価格が高いにも関わらず、顧客のロイヤリティは非常に高い

大手SPA企業②の競合分析

  • 業績:2009年に日本市場に参入して以来、毎年売上を倍増させている。
  • 原因:機能性や品質は自社ほどよくないが、ファッション性の高いトレンドアイテムを低価格で提供している。また、ファストファッション企業としてブランド認知を確立している。

Company(自社)分析

最後に、自社の分析をします。

業績

SPAで原材料の調達から製造、販売まで一貫しておこなっており、日本国内で競争優位性が高かったものの、海外から大手SPA企業2社が参入したことにより、業績の成長が鈍化傾向

原因

原因価格面や機能性で勝負している一方で、コンセプトが不明瞭であるため、ブランドとしての人気を確立できていない。したがって、ユーザーのロイヤリティ強化に苦戦している。

強み

徹底したコスト管理と品質管理によって高品質・低単価を実現。技術開発や繊維メーカーとの協業により機能性の高い生地を使用。

弱み

デザイン性は乏しく、ファッション性が高いという認識を顧客が持っていない。

3C分析の結果をもとに、SWOT分析を使ってみよう

SWOT分析
©patpitchaya-shutterstock

ここまで、3C分析をおこなってきましたが、これらをもとにして事業戦略を検討するためにSWOT分析をおこないます。
3C分析をしただけでは、情報を抽出したに過ぎず、情報が整理されていません。
そこでクロスSWOT分析を用いて、ここまでの情報を整理することで、自社の強み・弱みに加えて、業界内で競争優位性を保つためのKSF(成功要因)を明確にしていきます。
SWOT分析について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

関連記事:SWOT分析とは?読み方がわからない人にも具体例付きで簡単に解説してみた

SWOT分析を整理する

内部環境

  • 強み:徹底した品質管理とコスト削減により高品質・低単価の商品を提供できている。日本国内では、3社の中でも圧倒的な店舗数を誇る。また技術開発や繊維メーカーとの協業により機能性の高い生地を提供できている。
  • 弱み:デザイン性に乏しく、ファッションブランドとしての力は競合2社と比較して弱い。またブランドコンセプトも不明瞭で市場・顧客に届いていない。

外部環境

  • 機会:高齢者層の増加、市場・顧客の購買行動の変化(オンラインへの移行)
  • 脅威:大手SPA企業2社のブランド戦略による競争の激化、顧客のお金の使い道の変化

クロスSWOT分析

続いて、上のSWOT分析を元にクロスSWOT分析をおこない、事業戦略立案におけるKSF(成功要因)を導き出します。
具体的には、3C分析で洗い出した、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の情報をSWOT分析を用いて、内部要因(強み・弱み)と外部要因(機会・脅威)に分けて整理します。

強み×機会

高品質・低単価という従来の強みに高齢者層向けの機能性プラスして、今後増加する高齢者層の囲い込みをする

強み×脅威

強みである店舗数を有効に活用して、価格や機能性の面からプロモーションをさらに強化する

弱み×機会

デザイン性の強化やブランドコンセプトを明確化させ、Webマーケティングに注力することで、プロモーションを強化する

弱み×脅威

競合である大手SPA企業2社と差別化して、デザイン性だけでなく、ファッションブランドとしてのコンセプトを明確にする

3C分析はビジネスパーソンの味方

3C分析は、ビジネス活動で使えるフレームワークとしては基本的なものなので、ビジネスパーソンなら知っておいて損はないものでしょう。
日常生活の中でなぜこの企業は業績が良いのか、あるいは悪いのかといったことを3C分析のようなフレームワークに基づいて思考する癖を身につければ、ビジネスパーソンとしての武器になるはずです。
ぜひこれを機会に仕事で使えるフレームワークについて学んでみてはいかがでしょうか。

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