MECE(ミーシー)とは?ロジカルシンキングを鍛えるためのフレームワークを紹介!

物事を論理的に捉えて整理するための考え方である、MECEとは何か知っていますか?
MECEという思考法を知っておくことで、仕事の効率は今までよりもさらに上げることができるでしょう。
今回は、MECEについて例を交えて詳しく解説します。

MECEとは?

MECEとは
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MECEとは、物事を論理的に考えるために必要な思考法です。
それぞれのアルファベットが示すのは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略であり、直訳すれば「お互いに重複せず全体に漏れがない」という意味になります。

MECEは物事を考える時に、「各要素が互いに排反」かつ「各要素の和が全体集合となる」ように整理するための思考法です。
日々の業務においてもMECEを意識することによって物事を論理的に考えることがでるでしょう。

MECEに考えるメリットを知って、MECEに考える意味を理解しよう

meceのメリット
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MECEで考えることによって、日々の業務に良い影響を与えることができます。
これまでの業務時間を大幅に短縮することができたり、苦手だと感じていた作業をすんなりとこなすことができるようになったりするでしょう。
ここでは、なぜ物事をMECEで考えるべきなのかを紹介します。

MECEで考えるメリット①:思考を整理することができる

MECEで物事を考えると、自分を取り巻く複雑な課題や事象を冷静に整理することができるようになります。
そうすると、今、自分がどの課題に取り組んでいるのか、また、どういった課題に取り組むべきなのかを明確にすることができます。

日々多くの業務に追われるビジネスパーソンにとって、常にどの課題に向き合いどのように解決していけばいいのかを選択し、時間を効率的に使うことができるのは大きなメリットであるといえるでしょう。

MECEで考えるメリット②:見落としを防ぐことができる

何かしらの課題や問題をかかえている時に、それをMECEに要素分解し落とし込むことができていれば、それぞれの要素に対する施策を打つことができ、効果的に課題を解決することができるでしょう。
しかし、MECEの考え方を無視してしまうと、思いつきで答えを考え出すしかなくなってしまいます。

そこから生まれた施策はたとえ成功したとしても、再現性を担保できず、その場しのぎのものになってしまいます。
MECEを意識して課題解決に取り組むことで、課題の原因を抜け漏れなく洗い出すことができ、効果的な施策を打ち出すことができるでしょう。

MECEを考える際の具体例

それでは、具体的に「MECEで物事を考える」とはどうゆうことを指すのでしょうか。
ここでは、学習塾を例にMECEの考え方を紹介します。
学習塾の経営を考えた場合、生徒数、カリキュラム数、講師の人数、出店エリア、授業料、テキスト料など多くの指標があります。
これらの指標の中から経営課題を的確に捉えるには、MECEで事象を整理することが必要不可欠です。
MECEに分けるとはどういうことなのか、ここでイメージをつけてみてください。

MECEに分けられていない例

まずは、MECEに物事が整理されていない場合を紹介しましょう。
具体的には、以下の3つの場合が考えられます。

漏れも重複もある場合

漏れもダブりもある場合
トルテオ編集部

まずはじめに、漏れも重複もある場合です。
ここでは、学習塾の全生徒を「中学生以上」と「特進コース」で整理するシーンを考えてみましょう。
この場合、小学生の普通コースの生徒が漏れており、中学生以上の特進コースの生徒が重複しています。
このように漏れも重複もある状態は、MECEに整理されているとはいえません。

重複はないが、漏れがある場合

重複はないが漏れはある
トルテオ編集部

続いては、重複りはないものの漏れがある場合です。
例えば、学習塾の全生徒を学校別に「小学生」「中学生」「高校生」と整理したとしましょう。
一見、きれいに整理されているように見えますが、「浪人生」が漏れています。これでは、MECEに整理できているとはいえません。

漏れはないが、重複がある場合

漏れはないが重複はある場合
トルテオ編集部

最後は、漏れはないが重複がある場合です。
ここでは、学習塾の全生徒を通っている学校別に分けるシーンで考えてみましょう。
「新宿校」「渋谷校」「池袋校」ときれいに分けることができます。
しかし、教室での授業とは別にオンラインでの授業を受けている場合はどうでしょうか。
図のように、それぞれの校舎とオンライン校で重複する学生がいることがわかります。
この場合もMECEに整理されていません。

MECEに分けられている例

一般的に、MECEとして分けるための切り口として挙げられるのは、性別、年齢、購入単価、職業、居住地域などです。
先程の学習塾を例に、生徒をMECEで整理するにはどのようなやり方が考えられるでしょうか。
例えば、生徒はどれか1つのコースを選択しているとした場合、MECEで整理すると、このように分けることができるでしょう。

漏れも重複もない場合
トルテオ編集部

どのコースを選択する生徒がもっとも多いのか、それぞれのコースの受講人数に対する進学率はどうなっているか、などMECEに考えることで、漏れや重複がなくなるため顧客の情報や事業の状態を正確に把握することができます。

フレームワークを活用して、効率よくMECEに考えよう

効率よくMECEに考えるためには、既存のフレームワークを活用する方法もあります。
フレームワークはMECEに設計されているため、物事を整理する際に大いに役に立つものであるといえるでしょう。
MECEに考える癖をつけるためにも、フレームワークを活用してみましょう。

3C分析

3c分析とは
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3C分析とは自社を取り巻く環境を、「Customer(市場、顧客)」、「Competitor(競合)」、「Company(自社)」の3つに切り分けて分析するフレームワークです。
業界の規模、顧客のニーズについて考える「Customer(市場、顧客)」、競合他社との現状の分析、今後の展開について考える「Competitor(競合)」、自社が現在かかえている問題点や強みと弱みについて分析する「Company(自社)」をすべて分析することで自然と自社を取り巻く環境をMECEに分析できるように設計されています。

3C分析は自社を取り巻く環境を整理し、どのような課題を解決しなければならないのかを知るためにおこなわれるものであり、客観的に現状を把握するうえで有用なフレームワークです。
3C分析についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:3C分析とは?やり方や目的を事例にそって解説してみた

マーケティングミックス4P

4Pとは
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マーケティングミックス4Pとは、マーケティング戦略の一環としておこなわれるフレームワークです。
4つのPはそれぞれ「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(場所)」「Promotion(プロモーション)」を意味しています。
これは、自社の商品をどのように展開していけば売上増加を見込めるのか考えるために活用できるフレームワークです。

顧客が欲しがる商品とその適正価格、さらにそれを流通させるための経路と販促方法をそれぞれ考えることで、商品を顧客に届けるための戦略をMECEに考えることができます。
マーケティングミックス4Pは近年、4Cという考え方へとアップデートされつつあります。詳しくは下の記事をご覧ください。

関連記事:マーケティングミックス4Pとは?初心者でもビジネスに活かせる4Pの活用方法と事例

SWOT分析

SWOT分析
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SWOT分析とは、自社が今置かれている状況を内部と外部に分けて分析するフレームワークです。
それぞれのアルファベットは、「Strength(強み)」「Weakness(弱さ)」「Oppotunity(機会)」「Threat(脅威)」を意味しています。
SWOT分析は「強み」と「弱み」を「内部環境」として、自社の努力によって変化させることができるものであるとしており、「機会」と「脅威」を「外部環境」として、操ることができないものであるとしています。

SWOT分析を使うことによって、自社が今潜在的にかかえている課題を把握したり、これからの戦略を明確化させたりすることができるといったメリットがあります。
自社が抱える課題や問題をMECEに整理するうえで、SWOT分析は非常に有用です。
SWOT分析をさらに活用したい方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:SWOT分析とは?読み方がわからない人にも具体例付きで簡単に解説してみた

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析
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バリューチェーンとは、商品が顧客の元に届くまでの工程で、生まれている価値の連鎖のことを指します。
バリューチェーン分析では、企業の行動を「主活動」と「支援活動」にわけて分析します。
「主活動」は製造がお客様に届くまでの活動のことを指し、「支援活動」はその主活動を支える活動のことを指します。
そしてそれらすべてがつながって1つの商品が作り上げられ、利益が生まれると考えられています。

バリューチェーン分析をおこなうことによって、現在の生産過程が最適なものであるかどうかを見直すことができます。
バリューチェーン分析では商品の生産過程をMECEに分けて考えることができるため、自社の生産過程を漏れなく重複なく整理することができ、コストの最適化を図ることができます。

AIDMAの法則

AIDMAの法則
トルテオ編集部

AIDMAの法則は、マーケティング戦略において活用されるフレームワークです。
5つのアルファベットはそれぞれ「Attention(注意)」、「Interest(興味)」、「Desire(欲求)」、「Memory(記憶)」、「Action(行動)」を指します。
AIDMAの法則は顧客の心情とそれに伴ってとるであろう行動パターンを予測するためのフレームワークです。

これを活用することでその時々の顧客のニーズにもっとも適した商品の訴求が可能になります。
AIDMAの法則では、顧客が商品を購入するまでの心情や行動がMECEに整理されているため、より効果的なマーケティング戦略の立案が可能になります。
AIDMAの法則について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:AIDMAの法則とは?マーケティングに活かせるAIDMA、AISASモデルを紹介!

一からMECEに考える際のアプローチ法

MECEアプローチ法
トルテオ編集部

フレームワークを活用せずにMECEに物事を考えていくときに知っておきたいアプローチ方法をここでは紹介します。
物事をMECEに整理する際には、2つのアプローチ方法がありますが、状況によって使い分ける必要があるでしょう。

トップダウンアプローチ

トップダウンアプローチとは、まず大きなくくりを作ってから物事を当てはめて整理していくというアプローチ方法です。
最初からある程度全体像がわかっている場合に使うことができ、物事をあらかじめ規定した部分に当てはめていくという方法でMECEに整理します。

トップダウンアプローチのメリットは、MECEを意識して思考を進めていきやすいことや、物事を推し進める際に道筋を立てて考えやすくなるという点にあります。
しかし、一方でデメリットとして、最初に掲げた前提としてのの大きなくくりが間違っていると、まったくMECEに分けられない場合もあります。

ボトムアップアプローチ

ボトムアップアプローチとは、大きなくくりを作れない場合に有用なアプローチ方法です。
まず思いつく要素を挙げていき、それらの共通項をくくることで全体を埋めていくというやり方です。
はじめに何も枠組みがない場合や、課題を一から考え出さなければならないといった場合などで活用することができます。

ボトムアップアプローチのメリットは、既存の枠組みにとらわれないものの見方や視点で物事を整理することができることにあります。
そのため、これまで思いつかなかったような斬新な施策や打ち手を編み出すことができることもあります。
一方でデメリットとしては、共通項をくくっていく上で適切な判断ができずMECEに整理できなかったり、漏れや重複が頻繁に起こってしまったりするということが考えられます。
MECEとして成り立たせるためには、漏れなくダブりなくを意識しましょう。

MECEに考えるための4つの切り口

MECE4つの切り口
トルテオ編集部

ここで紹介する4つの切り口を知っておくことで、物事をより効率よくMECEに分けることができたり、正確に分けることができるようになったりします。

要素分解

要素分解は、最初に大まかな枠組みを作っておいた上で、その中のものを要素ごとに切り分けます
逆に、それぞれの要素を組み合わせると全体集合になるものでないとMECEであるとは言えません。

この要素分解を使ったフレームワークとして挙げられるのが、3C分析やマーケティングミックス4Pです。3C分析では企業が置かれている状況をMECEに分析するために、「市場・顧客」「競合」「自社」という3つの要素に分けて分析します。
また、マーケティング4Pにおいては、商品を顧客に届けるための戦略をMECEに考えるために4つのPに分けて分析します。

時系列・ステップ別分解

時系列・ステップ別分解は、それぞれの要素を時系列別、ステップ別に整理することで、MECEに切り分ける方法です。
これを使ったフレームワークとして挙げられるのが、バリューチェーン分析などです。
バリューチェーン分析ではこの考え方を使って、実際にどのような順序で商品が顧客の元に届くのかを分析することができます。

対照概念

対照概念とは、物事を対象となる概念ごとに切り分ける方法です。
これはフレームワークの基礎として有用な考え方であり、幅広く応用が利くものです。

例えば、「質」と「量」は対照概念として考えることができます。
「商品の価値を上げるにはどうすればいいか」という課題にぶつかった時に、質(=商品のクオリティ)を上げるのか、量(=売上)を上げるのかと分けて考えることができるため、打つべき施策を明確にすることができます。

因数分解

因数分解はある物事を掛け算などの式で切り分ける方法です。
例えば、「売上」は「商品の単価」×「購入頻度」×「顧客の数」と切り分けることで、MECEに整理することができます。
抽象度の高い課題や問題を整理する際には、この因数分解を活用することでMECEに整理することができるでしょう。

MECEに考える際の注意点

ここでは、MECEに分ける際の注意点を紹介します。ここで紹介する注意点を把握しておくことで、多くの人が陥りがちなミスを回避することができるでしょう。

何のためにMECEに分けているのかを意識する

そもそもなぜMECEに分けて考えているのかを常に意識しておかないと、全く意味のない切り口でMECEに分けてしまい、結局時間の無駄に終わったということも起こり得ます。
MECEに分けて考えるのは、その先でMECEに分けたものを活用することを想定しているからでしょう。

それを忘れないようにしないと、MECEに分けることが目的になってしまい、本末転倒になってしまいます。
そのため、あらかじめ何のためにMECEに分けるのかを意識しておくことに注意しましょう。

切り口を統一する

MECEに分ける場合には、切り口を統一する必要があります。切り口を統一せずに物事を切り分けてしまうと、漏れやダブりが起こってしまったり、切り分けた後のそれぞれの要素がまた複雑になってしまったりする可能性があります。
切り口を統一してMECEに整理することで、課題が洗い出しやすくなるようにしておきましょう。

完全なMECEを求めすぎない

完璧にMECEに分けることに固執してしまうと、それだけ時間もかかってしまいます。
MECEはあくまでも施策や戦略を立案するためにおこなう準備の1つにすぎません。
そこで完璧さを求めすぎてしまうあまり、必要以上に時間がかかってしまったなんてことがないように気をつけましょう。
そのためには、スピードを意識して、ある程度の漏れやダブりに目をつぶることも必要です。

肝心なのは、MECEに整理したものを活かして、次に施策や戦略について考えることであるため、そこに時間をかけられなければ意味がありません。
MECEを活用するためには、完全性を求めないことも大切です。

MECEに分けることで効率的に業務を進めていこう

MECEに物事を考えることによって、効率よく物事を整理することができます。
また、物事を効率よく整理することができるため、施策や戦略の立案に賭ける時間を多く確保することができるでしょう。
合わせて、MECEに考えるためにさまざまなフレームワークも活用することで、日々の業務をよりよいものにしていきましょう。

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