営業職とは?転職する前に押さえておきたい仕事内容とやりがい
今の仕事は自分に合ってないと思いつつも、転職するのに一歩踏み出すことができないという人は数多くいるのではないでしょうか。
「もっと給料を上げたい」「人と直接携わりたい」「PCにずっと向き合う仕事はもう飽きた」といった悩みを持つ人におすすめなのが営業職です。そもそも営業職とは何をする職種なのか、どんな人に向いているのかなど、営業職について詳しく解説していきます。
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営業職とは

営業職とは、顧客や取引先に対してモノやサービスを売る仕事のことです。
ただ、一概に「売る」といってもその仕事の内容はさまざまあり、業界や業種、顧客によって売り方や売るためのコツは大きく異なります。
たとえば医療機器メーカーの営業の場合、医療機器のメリットを医者や病院の経営者にわかりやすく説明して医療機器を販売する必要があります。生命保険の営業の場合、個人のお客様の人生プランをきちんと理解したうえで、最適な保険サービスを提案する必要があります。
このように、同じ営業職でもやる仕事内容はさまざまですが、すべてに通じていえることは「モノやサービスで顧客の悩みを解決すること」だといえるでしょう。
営業職の種類と仕事内容

ここでは、営業職の具体的な仕事内容について紹介していきます。営業職が実際にどのような仕事をしているのか、イメージを膨らませていきましょう。
営業する対象で分ける
営業職の仕事内容は営業する対象で分けることができます。今回は法人に対して営業をおこなう法人営業と個人に対して営業をおこなう個人営業に分けて解説します。
法人営業
法人営業では、法人に対して営業活動をおこないます。
法人は個人とは異なり、「消費」として商品を購入することは少ない傾向にあります。「消費」としての購買よりも、業務をより良くするための「投資」や商品を作るための「仕入」などの目的で商品を購入します。そのため、個人営業よりも明確に「自社の商品を買うことで顧客が得られるメリット」を提示する必要があります。メリットを提示したうえで、そのメリットが費用に見合うものであると納得してもらえるような説明をしていくことが求められます。
個人営業
個人営業では、個人の顧客に対して営業をおこないます。
個人の顧客は法人と比べて「欲しい」という消費欲求をもとに購買活動をおこなう傾向にあります。そのため、顧客が「買いたい」と思うように商品を購入した後のイメージを伝えるような営業をしていくことが求められます。
顧客との関係性で分ける
これまで、営業する対象で分けて営業職の種類を紹介しました。ここでは、顧客との関係性で分けて解説していきます。
新規開拓営業
新規開拓営業とは、今まで接点のなかった個人や法人に対して取引の窓口を開いていただけるようにする営業のことを指します。顧客との関係性がないなかでのスタートなので、相手からすると最初は良くない印象を抱かれるかもしれません。
ただ、新規開拓営業は新たな売上を生み出すことができる可能性を秘めています。また、新規開拓営業を経験することで顧客の心を開くコミュニケーション力や強靭な精神が培われることでしょう。
ルート営業
こちらは新規開拓とは逆に、すでに取引したことがある顧客に対しておこなう営業です。今までとは異なる商品・サービスを提案したり、現在提供しているサービスのグレードアップを図ったりなど、より細かなアフターフォローをおこなっていきます。
また、お客様と顔を合わせる頻度が高く、より親密な関係性を構築することができるというのもルート営業の特徴です。そのため、ルート営業ではより繊細なコミュニケーションを取っていく必要があります。
ルート営業にはどのような苦労があるのか知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
営業手法で分ける
これまで、顧客との関係性で分けて新規開拓営業とルート営業について紹介しました。ここでは、営業手法に3つ分けて紹介します。より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
インバウンド営業
インバウンド営業とは、顧客からの問い合わせや資料請求をきっかけにアプローチする営業手法のことです。顧客から先にアプローチがあるため、ある程度自社に興味を持ってくれている状態であるといえます。
インバウンド営業はすでに顧客が興味を持ってくれている状態からアプローチするため、比較的楽に思うかもしれません。しかし、インバウンド営業はアウトバウンド営業と異なり見込み顧客に対してアプローチするため、逃してはいけないプレッシャーと戦うことになる役割でもあります。
アウトバウンド営業
アウトバウンド営業とは、これまで接点のなかった顧客に対してアプローチし、1から関係性を築いていく営業手法のことです。事前に顧客からのアプローチはないため、冷たくあしらわれてしまうことが比較的多い役割であるといえます。
アウトバウンド営業はまだ見込み顧客とは言えない状態の個人や法人にアプローチするため、短時間で顧客の興味を惹きつけるような伝え方を身に付けることができます。
インサイドセールス(内勤営業)
インサイドセールスの別名は「内勤営業」といわれています。主にメールや電話を活用してお客様と非対面でコミュニケーションをとります。
仕事内容は、顧客からのお問い合わせがあった時に営業をするというものです。顧客と対面することが少ないうえ、抽象的な要望による問い合わせがほとんどであるため、相手が何を欲しているのかをイメージする仮説思考力と、適切な提案をするための提案力が問われます。
またインサイドセールスは、社内のマーケティング部門から引き継いだ見込み顧客とのやりとりもします。そのためマーケターとしてのスキルが自然と身に付くのも特徴の1つです。
営業職に向いている人

営業職にはどのような人が向いているのでしょうか。ここでは実際に営業のフィールドで活躍している人を参考に、営業職に向いている人を紹介します。
人と話すのが好きな人
社内外問わず、人と接することが多いのが営業職です。
そのため人と話すことが好きな人は営業職に向いているといえるでしょう。取引先にとって営業担当は自社の顔として認識されます。提案の内容よりも、人として認めてもらえなければそもそも商談はうまくいきません。
営業トークを始める前に、雑談するなかでの何気ない会話や世間話で良好な関係を築くことができる人は営業職に向いているかもしれません。
目標を追うのが好きな人
営業職は基本的に、数値目標を掲げてその目標を達成するために日々邁進し続けます。
したがって目標を達成するために逆算をして、いつまでに何をしたらいいのかを計画立てて実行するのが得意な人は営業に向いているといえるでしょう。
プレッシャーと捉えるのではなく、緊張感もって仕事ができるモチベーションとして捉えることができる人は、なお営業に向いているかもしれません。
負けず嫌いな人
営業職で成果を出す人は負けず嫌いな人が多いです。先にも述べたように、営業は具体的な数値で同僚と比べられる職業です。そのため、常に自分の立ち位置がどのあたりなのか可視化されています。
したがって、ほかの同僚と比較して1位になりたい、負けたくないという負けず嫌いな性格の人は営業職が向いているかもしれません。
まめな人
顧客と良好な関係を築くうえで重要なのが、こまめに連絡を取り合うことです。
週に1回2時間の対話をするより毎日15分の対話をするほうが、より親近感が湧きやすくなり信頼関係を築くことができます。
また同じくらい重要なのが、レスポンスの早さです。
なかなか直接会うことが難しいという場合でも早く返答がくると安心感につながります。
そのため、普段から連絡をこまめとる人や、定期的に連絡を取ることができる人は営業に向いているかもしれません。
営業職のやりがい

ここでは、営業職のやりがいについて紹介します。「自分はこんなやりがいを求めている」「こんなやりがいがあると仕事がおもしろくなりそうだ」と感じる方は営業職が向いているかもしれません。
成果が数字で表されるため実力で評価される
どの会社も顧客の課題を解決することで対価を得ているという事実は変わりません。しかし事務職や人事などの間接部門は、自分の業務が会社に貢献しているのか、直接数字で表しにくい職種であるといえます。
一方、営業職はほかとは異なり、経営側が掲げた「年間目標」「四半期目標」「月間目標」といった目標を達成したかしていないかで判断されます。
つまり成果が数字で見えるため、同僚と比べて成果を上げているのか、そうでないのかが一目瞭然です。
顧客に直接携わることができる
営業職は顧客と対話を重ねることで仕事を進めていきます。
そのため人と会話をしてコミュニケーションをとることが好きな人にはおすすめです。
また、自社の商品・サービスで顧客の課題を解決することができたとき、顧客と一緒に喜びを分かち合うことができるのも営業職の醍醐味です。
社外の人と人脈が築ける
日々の営業活動や、営業外での飲み会やゴルフなど、さまざまな機会でいろいろな人と出会うことができ、社外の人たちとの人脈を築くことができます。ここでの出会いで人生のターニングポイントとなる人と出会うことも少なくありません。
さまざまな立場の人と交流を深めることで視野が広がるので、人として成長することができると同時に、転職したり何か相談したりする際のパートナーが見つかるかもしれません。
営業職できついと感じる瞬間

営業職は成果主義であり、仕事に対する意欲のある人にとってはやりがいがある反面、しんどいと感じる場面もたくさんあります。
ここではそんな営業職のしんどい、きついと感じるポイントを紹介していきます。
ノルマを追いかけ続ける必要がある
基本的に、多くの営業職では一定の期間で達成すべき目標がノルマとして設定されます。
その期間内のノルマを達成するために日々業務に取り組む必要があり、目標が達成できていないと常にプレッシャーを感じながら仕事をすることになります。また、その成果が給料に反映されることもあるため、結果が出ていないときのプレッシャーはかなり重いものとなるでしょう。
そのため、プレッシャーを楽しむくらいのスタンスで仕事に取り組める人でないと営業職に向いていないかもしれません。
体力的にきつい
営業は外回りが基本です。会社によっては国内外問わず出張があり、かなりの体力を消耗します。
とくに夏の暑い時期に、複数件連続で徒歩移動をして外回りをする場合もあります。
そのため、ある程度の体力がないとやりきることができないかもしれません。
休みの日も対応しなければならないことがある
顧客があっての営業なので、スケジュールも顧客に合わせることが大前提です。
もし法人相手のBtoBで営業をする場合は、土日休みになるのが一般的ではありますが、BtoCの営業をする場合は土日も出勤して仕事をしなければならないかもしれません。またさらに、出勤日でなくても顧客からの緊急の連絡があれば対応する必要がある場合もあります。
自社ではなく顧客の都合で予定が決まるので、決まったスケジュールで仕事をしたいという人には向いていないかもしれません。
人間関係の構築が大変
先ほど説明したとおり、営業は顧客との信頼関係を構築することが重要です。
最初はどうしてもテレアポ営業や飛び込み営業を通じて顧客と接点を持ち、その後接点を持った顧客と信頼関係を構築していきます。
そのため、この接点を獲得するためのテレアポや飛び込み営業の過程で顧客から怒られたり叱られたりすることで、精神的につらくなってしまう人もいます。
営業職の給料はどのくらい?

続いては営業職の給料について紹介します。
パーソルキャリア社のリサーチによると、営業職の給料は平均すると以下のようになっています。年代によってさまざまなですが、基本的にノルマを大幅に達成するとインセンティブが支給されるといった給与体系もあるので、実力次第では大幅に給料をアップさせることもできます。
平均年収 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
---|---|---|
444万円 | 468万円 | 377万円 |
20代平均年収 | 30代平均年収 | 40代平均年収 | 50代平均年収 |
---|---|---|---|
372万円 | 507万円 | 595万円 | 698万円 |
営業職で求められる志望動機のつくり方

営業職への転職を考えている方のために、営業職で求められる志望動機のつくり方を解説します。営業職に転職する場合、営業職で求められる資質をアピールすることが大切になります。
営業職に転職したい理由を書く
他職種から営業職に転職する場合、必ずと言っていいほど営業職に転職したい理由を聞かれることになるでしょう。転職活動に臨むときはこの質問に答えられるように準備しておきましょう。
自身がこれまでどのような仕事をしてきて、そのなかでどのような転機があって営業職に興味を示すようになったのか、流れに沿って伝えられると良いでしょう。
採用することで企業が得られるメリットを示す
転職活動では、自身を採用することで得られるメリットを端的に伝えることも求められます。
中途採用の場合、新卒採用よりもスキルをみて採用されるようになります。そのため、あなたが前職で培ったスキルを次の環境でどのように活かせるのか示す必要があります。
自分にはどのような価値があって、自分を採用することでどのような影響があるのか考えて伝えることで、面接官があなたを採用するイメージをしやすくなるでしょう。
営業職に転職してキャリアアップへ
営業職は特にプレッシャーのかかる仕事であると同時に、契約を結ぶことができると達成感も多く得ることができます。また、実力次第で多くの報酬を得られることもでき、自身のキャリア形成に良い影響をもたらしてくれる職種であるといえるでしょう。